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46 Daiki 呼びだし ページ46

Daiki




キノコ公園の脇を通り、あと少しで俺らの家。



きっと、夏休みの間に、もうこんな風に話せる時はないと思うと、めちゃくちゃ焦る。




何を話そうか、いやまだ言うべきじゃない・・・

そんな風に考えてたら、何にも喋ってなかった。






A「有岡・・・疲れた?大丈夫?」





有岡「え、あぁ、大丈夫。

  あのさ、お願いがあんだけど」





A「ん?どうした?」




ちょっとビックリしたような顔をした後、心配そうにのぞき込まれた。

ずーっと、ずーっと言いたかった事・・・

俺が立ち止まったからAも止まった。










有岡「あのさ、俺の事有岡って呼ぶの辞めない?」





A「え、何て呼んだらいいの?」





ちょっと困った顔をしていた。

俺の答えが予測できたからだと思う。





有岡「・・・大貴」





A「ごめん・・・無理」





有岡「じゃあ、大ちゃんでもいい」





A「大切な人に、呼んでもらって。

  それは私じゃないから」






有岡「でも俺は・・・

  俺はAにそう呼んで欲しい」






首を横に何度も振っている。





A「ごめん、自己防衛だから。

  これは崩せない・・・」






有岡「自己防衛?

  どういう事?」






A「幼馴染だから・・・

  そう言って、有岡は私を遮断してきたじゃん。

  だから・・・いいじゃん、有岡で」






有岡「あの時は、Aを守ろうとして言ったんじゃん。

  そう言えば、俺らの関係を怪しまれないと思って」







A「もっと違う方法もあったよ。

  好きでもない子と付き合ったり出来るんだもん、好きでもない子達に呼んでもらえばいいじゃん。

  私、巻き込まれたくないから」






有岡「巻き込むってなんだよ」





A「ごめん・・・なんでもない」











この時に、ちゃんと気持ちを伝えたらよかったんだ。


「好き」だから、付き合って欲しいって。


俺の気持ち分かってんだろって思ってたから。







結局は中途半端で。


Aが考えてる事も、全然分かってなくて。







名前の呼び方なんかじゃなくて、大切な事を言わなかったから、夏休みが明けて少したった頃、大事件が起きた。











伊野尾「有岡!Aが先輩に呼び出されてんぞ」



八乙女「男のな!」






呼び出されるって、悪い事でもしたのか?なんて勘違いしていた。

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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年8月29日 23時

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