背中合わせのシンパシー2(Daiki.A) (ページ27)

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A「うん、そうだね」

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少しの沈黙のあと、有岡が苦笑いをしながら言った。

有岡「両想いになれるといいな、そいつと」

A「うん」

有岡「Aは可愛いから、大丈夫だって。

　俺みたいなのが周りでチョロチョロしないようにするわ」

A「うん」

有岡「じゃあな・・」

A「うん、ありがとね」

階段をトコトコと降り、お母さんに挨拶をして出て行った。

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何度目かのお別れ。

嘘つかれたとか

あんまり喋らない方がいいとか

もう何回目？

私の気持ちが大きくなりすぎる前に、少し距離を置いた方がいいから。

彼女がいる人を好きになって、

ただの幼馴染を好きになって、

どうにもこうにも、結ばれるはずがなくて。

ただ有岡を思う気持ちを封印したくて、頑張って頑張って嘘をついた。

せっかく少し話せるようになったのに・・・やっぱそういう運命なんだね。

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有岡母「今日はね、サッカーの練習もないし、彩ちゃんと動物園に行ったの。

　お花見の時期だしね、混んでるんじゃないかしらね」

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そんな春休みも明け、六年生に進級した。

担任の先生も変わらないので、代わり映えのしない教室。

有岡とは目も合わなくなった。

彩ちゃんとは、以前よりは離れて過ごしてるみたいで、男子だけでゲームの話で盛り上がっていた。

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有岡母「大貴ね、彩ちゃんからの誕生日プレゼントに筆箱もらったの。

　色違いで彩ちゃんも持ってるらしいの。

　見てて、微笑ましいのよ」

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有岡母「Aちゃん、どんどん上手になってくわね。

　はい、これ・・」

ピアノの発表会に、今年も花束をもらった。

毎年おばさんも大変だなって他人事のように思ってて。

おばさんの息子も、毎年コソコソと一人で見に来てくれてて、やっぱり嬉しい。

今年は、白の薔薇のコサージュを頭につけて、リップも塗ってみた。

有岡、気がついてくれたかな・・・

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五月の運動会。

今年は、有岡と同じ赤組で、彩ちゃんは白組だから可哀相。

クラスで数名、応援団を募ったんだけど、すぐに有岡は手を挙げてて。

女子がなかなか決まらず、ぐずぐずしてたら、隣りの席の有岡に腕をつかまれ「はい！やります！」って手を挙げさせられてた。

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