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有岡『まあ、そう』





A『二人だけで行くのはイヤ。

  おばさんでも、うちのお母さんでもいいから三人以上でならいいよ』





また誰かに見られて、嫌な思いをするのは困る。






有岡『分かった。

  お母ちゃんに言ってみる。

  なあ、今、部屋にいる?』





A『うん、いる』






有岡『寒いけど、窓開けて』





A『え・・・窓?

  あっ、ちょっと積もってきたね』





有岡んちの方を見たけど、真っ暗で良く見えない。





有岡『あ、Aも部屋の電気消してみて』





A『・・・うん』





真っ黒な夜に、しんしんと白いフワフワが降ってくる。


大量のフワフワが落ちてくるのに、まったく音がしないのがキレイだし、儚い。





A『なんか喋ってよ』





有岡『あぁ、うん。

  でも、Aと繋がってるだけで十分』






A『有岡・・・』





有岡『ん?』





A『そういう事は、彼女に言うんでしょ?』





有岡『あぁ…』





A『ちゃんと好きな人を大切にしないと。

  彩ちゃん、悲しんじゃうよ。

  有岡がフラれちゃったら、私、悲しいし。

  有岡は好きな人を大事に出来るって知ってるから、だから・・・』






有岡『わ、わかってるって』





A『ごめん・・・他人が色々言い過ぎた。

  ケーキ、食べてあげて欲しかっただけ。

  ちょっとショックだったから』





有岡『うん・・・ごめん、来年は気を付ける』





A『来年か・・・

  その頃には、中学の準備とかしてるのかな。

  いいなー、有岡は彼女がいるから楽しい事いっぱいで』






有岡『別に、そういうんじゃ…』





A『ねえ、彩ちゃんと二人で買い物行ったらいいじゃん。

  一緒に選んでって言えば、大丈夫だって。

  私だったら、嬉しいかも。

  デートも兼ねてさ!』






有岡『俺は、Aと行きたかっただけ』





A『私は、有岡の彼女の事考えて買い物って、出来ない。

  ごめん・・・ただの幼馴染なのに生意気で・・・』






有岡『そっか・・・』





A『あ、そろそろ彩ちゃんに電話する時間?

  切るね・・・』






有岡『彩ちゃんとは、電話しないし』






A『今度してみてよ。

  有岡の声、独り占め出来るから』





有岡『今は、Aが独り占めしてる』

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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年8月29日 23時

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