17 三学期 ページ17
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それでもたまには目が合った。
ニコッて微笑み合ってた頃よりは全然少なくなったけど。
彼女のいる有岡を目で追ってる自分が嫌になるけど、有岡もこっちを見てた。
プイッて視線をそらすのは私から。
だから、その後有岡がどんな顔してるのかは知らない。
休み時間は、有岡の席にあのグループが集まってる感じだけど。
机にくっついて立ってるのは彩ちゃんで。
時々目を合わせて微笑み合ってる。
見てるの辛いから、見なきゃいいのに、つい有岡を追ってしまう。
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「Aって、有岡の事好きなのかと思ってた」
こういうことを遠慮なしに言ってくるのは伊野尾くん。
八乙女「え？マジで？！」
A「別に、幼馴染としては好きだけど、それ以上の感情にはならないって。
葵ちゃんは、伊野尾くんの事好き？」
葵「うん、好きだよ」
A「ほら、こんな感じ」
伊野尾「なんだよ、葵。
もっと本気できていいんだぜ」
葵「バカじゃないの？
まあ、彼女が出来たとかなったら気になるけどね。
『私なんて慧ちゃんと一緒にお風呂入った事あるんだから』って自慢したくなるかも」
伊野尾「お前、風呂入った事ねえだろうが」
葵「ふふっ、そうだけど。
幼馴染ってそういうのあるじゃん」
八乙女「なんか女子ってこえー。
嘘ついてまで自慢しちゃうの？」
伊野尾「葵ちゃーーん、今でもいいぞ、風呂入んの」
葵「もー！最低！」
八乙女「で、Aは有岡と風呂入った事あんの？」
A「まあ、あるよ・・・」
伊野尾「やべー、それホントのやつだろ」
その高くて特徴的な伊野尾くんの声が、教室中に響いた。
伊野尾「え、どうやって入んの？
湯船の中では？
バックハグ的な？」
興奮して、声が大きくなってる。
葵「ホント慧ちゃんっていやらしい。
小さい頃の話でしょ」
A「そうだよ、全然そんなんじゃ・・・」
そう言いかけた時、急に背後に人が立って、見覚えのある手が前に回った。
「こんな感じ？」
伊野尾「おぉ、いいね、有岡。
すげー分かりやすいわ」
A「ちょっ・・」
慌てて有岡の腕の中から出て振り返った。
いたずらな笑顔で私を見ている。
A「そ、そんな事した事ないじゃん！」
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2018年8月29日 23時
