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Aの提案は突然だった。



先週ボーナスが出たから、それでなんだと思うけど。

俺が、家を建てるなんて・・・やっぱ嬉しい。





A「でね、これを機に、もうちょっと東京寄り、もしくは都内に引っ越したいなって思って」





有岡「え、それじゃ、Aが大変になるじゃん」





A「このまま千葉営業所に勤めるにしても下り方面だし、大丈夫かなって思ってるけど?

  それに、大貴もそろそろ二課長くなってきたじゃん。

  転居を伴わない転勤の事考えてね、いいかなって」





有岡「まあな」




もちろんAがプレゼンしてくるって事は、すべてにいい方向に向いてるはずだし、文句をつけたいわけではない。





A「で、今週末位から、探し始めたいなって」





有岡「あ、そんなすぐ?」





A「もう一つ提案があってね・・」





ちょっと口ごもりながら、タブレットで何か検索して、こっちに向けた。



“妊娠数週カレンダー”



久しぶりに見るけど・・・えっ・・・





A「二人目・・・」





有岡「えっ、マジで?」





A「あ、いや、出来たわけじゃないよ?」





有岡「あ、そっか。

  ちゃんとゴムしてても、妊娠しちゃうってあるんだって思っちゃった」





A「いや、あのね、保育園に入れるのに、4月〜9月生まれがいいらしいのね。

  で、そろそろ作ると、そうなるかなって思って。

  いや、今すぐだと、三月に産まれちゃうんだけど、でも保育園が見つからなかったら、少しだけ延長できるし、いいかなって」






有岡「まあな、引っ越しちゃえば、裏口入園も無理だしな」






A「何、裏口入園って。

  悠貴は、ちゃんと空きがあったから入れたんでしょ?」






有岡「えっ、あっ、そうだな・・・そうだと思うけど。

  涼介先生に、引っ越すって言っとこうな」






A「え、まだいいでしょ?」






有岡「いや、もう一カ所くらい、保育園作ってくれるかもしんねえし」






A「何言ってんのよ、涼介先生を利用しないの!」






有岡「ま、まあな」






いちご保育園が、Aの為に建てられたことは、まだ言えてない。

知らなくていいかなって思いつつも、あいつの気持ちになったら知って欲しいかなとも思う。






有岡「えっ!ちょっと待て。

  仕込んでもいいって言った?」





A「まあ、そういう感じ?」






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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年7月8日 18時

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