32 ページ32
・
紙のシートの上に乗せられた、真っ赤な赤ちゃん・・・いや、桃ちゃんが私の顔の横に連れてこられた。
まだ、ちょっと汚れたままだったけど、大きな声で泣いていた。
助産師「はい、おめでとうございます。
女の子ですね」
A「あ、ありがとうございます・・・」
玉森「縫合していきますね」
A「はい・・・」
桃ちゃんが、手術室から出たのが分かったあとは、もう記憶がない。
これから来る、猛烈な痛みを避ける為、記憶を失いたいと思ってたから、積極的に寝る方向だった。
次に気がついた時は、やっぱり痛みでだった。
ベッドサイドにいたのは、お母さんだった。
A母「お疲れ様でした。
痛む？看護師さん呼ぶ？」
A「うん・・・
大貴は？」
A母「悠ちゃんと遊んでる。
赤ちゃんと対面して、抱っこさせてもらってたわよ。
写真ね・・・これ」
A「あ、悠貴もいたんだ」
A母「うん、大ちゃんに頼まれて、手術終わる前に迎えに行ってきた」
その写真の悠貴の顔が可笑しくて。
怖がってるような、不機嫌そうな、眉間にシワを寄せた顔をしてるんだもん。
それに引き換え、大貴のデレデレした顔！！
口元緩んで、鼻の下伸ばしてるし！
トントン・・・
「どうですか？痛みます？」
A「はい・・・」
痛み止めを入れてくれて、お母さんに、もう少し休むねって告げて目を閉じた。
次に起きた時は、もうお母さんもいなくて。
外も真っ暗になっていた。
携帯も手元にないし、時間も分からない。
一人目の経験から、早く時間が過ぎればいいのにって何度も思って。
三日後くらいにワープしてしまいたいと願うばかりだった。
・
・
悠貴を保育園に送って行ったあと、母が来てくれた。
A「熱が38℃以上ある。
午後には尿の管、抜くらしくて」
A母「そっか。
結構早く抜くのね」
管を抜く、イコール、自分でトイレに行くというリハビリが始まる。
A「悠ちゃん、大丈夫？」
A母「今のとこ、大丈夫よ。
ここって、病室に未就学児が入れないんだって」
A「え、そうなの？！」
A母「赤ちゃんはね、ガラス越しに見れるんだけどね」
知らなかった。
普通そうなのかな。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 714人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やまぱん
| 作成日時：2018年7月8日 18時
