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二人の目で、一人の子を見るのは大変じゃないんだって、先輩ママの美枝が言ってたけど。
私たちも、それが少し分かってきて、少しゆとりが出てきた気がする。
お外遊びが大好きな悠貴と、週末は必ずランニングバイクを持って公園に来ている。
大貴と二人でベンチに座ってたら、花壇で何かしてた悠貴が、ニコニコしてこっちに近づいてきた。
悠貴「パパ、みて!」
有岡「お、なんだ。
何拾ってきたんだ」
この時は、どんぐりでも拾ってきたのかと思ってたっぽい。
悠貴は、ゆっくりと小さな手を開いて、パパにグッと近づけた。
その瞬間、
有岡「おい、待て待て待て!
ばか、無理!
やめろっ!」
悠貴の手を避け、ベンチから転がり落ちた。
悠貴「あっ・・
ママー!
あおむしさんのウンチ!」
足をジタバタさせて、パパのせいで逃げて行ったダンゴムシを泣いて追いかけた。
A「え、あっ・・・
悠ちゃん、これ・・・まん丸になってるの、これね」
有岡「触ってる・・・
あー、やだっ!」
A「ちょっと、大貴。
ダンゴムシくらいで、そんな大きな声出さないでよね。
悠貴、ビックリしちゃってるじゃない」
悠貴「抱っこ、抱っこ」
最近悠貴を抱き上げると、お腹の上に乗っかってる形になる。
悠貴も重くなってきてるし、大変なんだよね。
それでも、このフワフワな感触が心地いいし、可愛いの。
有岡「あー俺が抱っこしてやりたいけど、その手に持ってるの、どうにかしてくれ」
悠貴「やっ!ママがいい!」
A「分かった分かった。
ちょっと座らせて」
ベンチに座って、さっき言ってた変な事を聞き直した。
A「悠貴、あおむしさんのウンチって何?」
悠貴「はらぺこあおむしのウンチ!」
何を言いたいのか分かったから、大貴を睨んでみた。
有岡「いや、だからさー、あれはサナギだろ?
それはダンゴムシだから、悠貴、違うから放してやった方がいいぞ」
A「パパが変な事教えるからねー。
悠ちゃん、これはねチョウチョさんにはならないんだよ。
だから、おうちに帰してあげよ」
子供に変な事教えちゃいけないって。
分かってくれたかな、うちの大きなお子ちゃまくん!
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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年7月8日 18時