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母「悠ちゃん、おはよー。
今日も元気だねー」
カーテンを開ける為に立ち上がり、また布団の上にちょこんと座って、腰にクッションを巻いた。
オムツ交換をしてもらった悠ちゃんが、自分の親指をなめながら手渡された。
A「はい、どうぞ」
小さい手をオッ パイに添えるようにして夢中で飲んでいる。
可愛い。
可愛いけど、眠い・・・
こんな中、ビクッともしない大貴。
母「オッ パイ終わったら、ご飯にしたんでいい?」
A「うん、大貴も起こしていくから」
母「大ちゃん、張り切ってるからね、疲れてるんじゃない?」
A「でも、ご飯はまとめて片付いた方がいいし、あとでまたお昼寝すると思うし」
母「そっか・・・じゃあ、用意するね」
A「うん、お願いします」
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大貴と出会うまでは、お母さんと話すのが嫌だった。
いい人はいないのか、そんなに仕事を頑張って幸せになれるのか、赤ちゃんは早い方がいい・・・
そんな事ばっかり言われてたから。
決して、女の幸せが結婚と出産にあるとは思わない。
だって、結婚しなくたって幸せだと思える事沢山あるし、子供がいなくたって夫婦円満の家庭はたくさんある。
だけど私は、人生の中で今が一番幸せだなって思える。
男に依存しない人生が、ちょっと疲れてたのもあったし。
A「大貴、大貴、起きて」
私が急に大きめの声を出したので、悠ちゃんがビックリしてオッ パイから口を離した。
A「ごめんごめん、大丈夫だよ。
パパがね、起きないからさ」
私の言葉が通じてるとは思えないけど、再びチュパチュパと飲み始めた。
大貴を起こしたいのに、手の届くところにいない。
大好きな大好きな旦那様の事、足の指で突っつく日が来るとは・・・
A「大貴、朝だよ、ご飯だって」
そう言いながら、足で腕を突っついた。
気がついたみたいで、目をゆっくり開けて、自分が今いる状況を確認している様子。
A「おはよ」
有岡「・・・おはよ」
スマホで時間を確認する。
有岡「ねえ、夜中、悠ちゃん起きた?」
A「うん、起きた」
有岡「何時に?」
A「一時、三時、五時・・・で今、七時」
有岡「そんなに?!」
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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年5月14日 22時