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A「そうだね」
窓から見える空は真っ青で。
田舎だから、空が広い。
エアコンが効いてきて、ホッとする。
大貴の好きな夏に産まれた小さな命は、気がつけばスヤスヤと寝てしまっていた。
カーステレオからは、ディズニーのナンバーがオルゴールで流れていた。
束の間の三人だけの時間・・・
自然に笑みがこぼれた。
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A「ただいまー」
有岡「こんにちは」
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ドタドタと足音の犯人は、妹のめぐだった。
めぐ「おぅおぅ、悠ちゃん！
退院おめでとー！」
大貴に持たれたキャリーの中をのぞき込んでいる。
A「寝てるから、静かに！」
めぐ「えー、つまんない！」
母「退院おめでとうね。
パパの運転で寝ちゃうなんて、乗り心地良かったのねー」
有岡「いや、えっと」
リビングに行くと、お祝いの準備が整っていた。
有岡「うわー、すげー」
母「悠ちゃん寝てる間に、早く食べちゃいましょ。
Aは、特にね」
A「うん、そうだね」
お父さんの発声で乾杯をするんだけど、大貴がアルコールを飲むのをためらっている。
めぐ「大丈夫だって、なんかあったら、タクシーとか救急車もあるんだし」
A「そうだよ。ね？
産まれたら飲んでねって言ってたじゃん」
お父さんが、強引に大貴のグラスにビールを注ぎ、私は麦茶で乾杯をした。
一口ビールに口をつけた大貴は、泡の髭をつけ、目を真ん丸にしている。
有岡「やべー、美味い！」
めぐ「今日は泊ってくんでしょ？
大ちゃんも頑張ったんだし、飲んじゃえ飲んじゃえ！」
初めて飲んでる姿を見た時、生をすごい勢いで飲んでたのを思い出した。
ジョッキじゃなくてグラスだから、すぐに空になっちゃって。
めぐにガンガン飲まされてた。
有岡「あー、ダメだ。
空きっ腹に、久しぶりだし、ちょっと食べさせてよ」
みんなで笑って、出前のお寿司と、お母さんとめぐが作った料理もいっぱい食べた。
うーうー
A「あ、悠ちゃん起きた」
めぐ「おぉ、起きたの？
お姉さんに抱っこさせてー」
A「おばさんでしょ？」
キャリーから出すと、背中に汗をかいていて、仰々しい白いドレスを脱がせることにした。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2018年5月14日 22時
