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A「え?それちゃんと考えて言ってる?」
有岡「俺の中では、ずっと前から悠貴だよ。
Aが一生懸命考えてくれたんだもん、それでいいと思う」
A「ちょっと、ちゃんと見てよ。
桃ちゃんの顔、悠貴って顔してる?
顔見たら、ちょっと違うな・・・とかない?」
有岡「全然ない。
大貴と悠貴・・・いいと思う」
A「名前って、大切なんだよ?
いいのかな・・・こんなんで」
コットの中ですやすや寝ている桃ちゃんを挟んで、私だけが興奮している。
苦笑いしながら、大貴は私の左手をつかんだ。
有岡「何?ちゃんと話し合ったじゃん。
俺も、その考えいいなって思ったから賛成したじゃん」
A「・・・うん」
有岡「では、次に桃ちゃんが目を覚ましたら、本人に説明しよう。
今からあなたは『悠貴』ですって」
A「・・・うん」
有岡「ほら、疲れちゃうから座って」
つかまれた左手が引っ張られ、ロビーの椅子に座らせられた。
すぐに大貴も隣に座ったので、少し大貴に寄りかかった。
手をつないだまま、目を合わせ、
至近距離で笑顔を投げかけられ、ちょっと照れてしまった。
大貴に寄りかかったまま、頭をコテンと倒した。
A「大貴と結婚して、よかったなー」
有岡「なんだよ、急に」
A「いいじゃん、別に」
有岡「なあ、寝るんならベッド行こうぜ」
A「哺乳瓶返してこないと」
有岡「あとでやっとく。
ほら、ゆっくり・・・立って・・」
まだまだ歩くのが大変だから。
ベッドから降りたついでに、トイレにも行く。
大貴と悠ちゃんは、待っててくれて・・・
ふふっ、悠ちゃんだって。
出たら、すでに哺乳瓶は返却されていた。
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午後のひとときを、三人でゆっくりお昼寝をする。
そう、寝坊してきた大貴まで、ベッドに突っ伏して寝る準備をしていた。
そして一番に起きたのは、悠ちゃんだった。
オゥーオゥー
A「大貴、起きて。
ねえ、悠ちゃんが喋ってる」
ちょっと不機嫌顔で目をゆっくり開け、聞こえてくる可愛い声にビックリしたみたいで、すぐに大きな目になった。
うー うー
手と足をパタパタ動かし、ご機嫌だった。
有岡「ビデオ ビデオ・・
A「泣き出す前に、あれ伝えてあげて」
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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年5月14日 22時