寄り道をしたあとに 5(Daiki.A)【完】 (ページ20)

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20 Daiki side ページ20

大貴 side

初めて、恋をする事を覚えて。

恋をした人の事を思うと、嬉しくて楽しくて、ワクワクしてたのに

たまらなく苦しくて辛くて悲しくて、どうしようもない気持ちになる事もあった。

いつの頃から、「恋」が「愛」に変わって。

Aを一生守りたいって、強く思うようになって。

同棲じゃなくて、結婚してから一緒に住みたいって言われたのは、

ちゃんと考えてくれたから、だからそういう答えなんだってわかって。

俺も、ちゃんと納得できたんだ。

あんなひどい事したのに、

俺がどっか行っちゃえばよかったのに、

遠くで、俺と、そして自分自身と向き合ってくれて、

気持ちを整理してくれたんだよね。

そしてまた、戻ってきてくれて

マジで嬉しかった。

あんな嬉しい事は俺の人生で、初めてだよ。

もう二度とそんな思いさせないから

ずっとそばにいて、ちゃんと守るから。

これからも、俺の事、好きでいて欲しい…

いつも「大貴大貴」って呼んでくれて、

上目づかいで俺を見て

腕を絡ませてくるんだ。

それはもう、幸せ以外の何物でもなくて。

ずっとずっと、Aと二人で

手を取り合って

同じ方向を見て

歩いていきたいんだ。

ずいぶん寄り道をしてきたけれど、

ちゃんと同じ道を歩き始めた俺たち。

いつかまた、寄り道をする時は、

一緒に立ち止まって、

一緒に考えて、

ゆっくり歩いていこうな。

・

・

お父さんに引かれていた手を、俺が受け止めた。

ここからは、俺との人生だかんな。

絶対幸せにするから、約束するよ。

愛してるよ、A････

・