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控室の外に、両親が出ているのを確認してノックしたと思われ、
でも今日は、アテンダーさんがいるのを忘れてたみたいで
「あっ」って驚いたあと、言葉を探してる
大貴「あのー、ちょっと二人で打ち合わせしたい事があるので、いいですか？」
そう伝えると、「はい」とドアの外に出ていった。
そして大貴は、足早に私に近づいてきた。
A「嘘ついたよね」
とニコッてすると
大貴「嘘じゃねえよ。あれ、あの練習すんの忘れてたから」
私が「え？」って顔をすると、
写真撮影で覚えた近づき方で、グッとスカートをつぶし
いつもの距離になる。
そして、大貴の右手が私の頬を包み
「チューの練習｣
斜めに顔が近づき、目を閉じると
そっと唇が触れた。
口紅をしてるので、触れるだけ。
触れるだけでも、大貴の熱を感じて
とろけそうだった。
大貴「はい、こっち向いて」
タキシードのポケットからスマホを出して
顔をギュッと近づけて、一枚撮り。
今度は私のほっぺに、キスをして撮り。
いつもの笑顔になった二人を、いっぱい撮って、スマホをしまうと
体を正面に向き直し、私の腰に両腕を回し
いつもよりトーンを低く
大貴「A････ホントにキレイだよ。愛してる」
私の目をグッととらえて、そう伝え
A「大貴……私も…愛してる。ずっと一緒だよ」
大貴の胸の中に、顔をうずめ、しばらく抱き合い、
もう一度、キスをした。
うっすらついてしまった口紅を
鏡で確認しながらティシュで拭いてあげて
私のポーチから薬用リップを出して、
人よりちょっと赤い唇に、塗ってあげた。
大貴「間接キス！･････あ、さっき直接したんだった」
A「ふふっ、それ、覚えてるの？」
大貴「当たりめえだろっ！初めてした時の事、忘れっかよ」
A「ふふっ、でもね、あの時私は、
大貴って、キスくらい誰とでもするんだなって思ってたよ」
大貴「あ、順番間違えたんだった。
でも、あの日から、A以外の人と、キスした事ねえかんな」
A「その前日まで、違う人としてたって聞こえる」
大貴「うるせえ、ねえわ、そんな事」
A「知ってる。禁欲生活してたんだもんね。意外と真面目なとこもあるしね」
いつもの調子に戻ってきたら、ドアがガチャと開き
そして大貴は「またな」って出て行った。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2016年11月23日 15時
