1 Daiki side ページ1
大貴 side
A「大丈夫です。大貴くん、モテるの知ってますから」
大貴「兄ちゃん、Aに謝れ！」
A「いいから、大丈夫だから」
そう、小さく俺に言ったけど、ほんとごめん。
兄ちゃんの奥さん…お姉ちゃんなんだけど、いつも何て呼んでいいかわからなくて…
で、お姉ちゃんも、困った顔して、兄ちゃんをつっついてるし。
母「ねえ、何もないけど、みんなで乾杯しましょ！」
父「ほんと騒がしくて、ごめんね、Aちゃん。いつもはもっと仲いいんだけどね」
姉「多分、Aちゃんが可愛くて、嫉妬してるんだと思うよ」
兄「嫉妬なんかするか！俺には、可愛い妻と子がいる…」
母「はいはい、Aちゃんが持ってきたシャンパン、いただきましょ！」
大貴「ざまーみろ、兄ちゃんは飲めねえかんな、運転があるからな」
兄「お前もだろ！」
大貴「俺は別にいいもんなー。向こうに帰ったら、二人でしっぽりお祝いするから、なー」
Aを見て、そう言ったら、Aはまた複雑な顔してて。
ハナちゃんが「ぱんかーい！」って可愛く音頭を取ってくれたから
みんな笑顔で「ぱんかーい」って言って、母ちゃんが用意してくれたものをいただいた。
Aも、アルコールはダメだから、俺と一緒のコーラを飲んでる。
それなのに、酔っ払って目を潤ませてるみたいな顔になってるから、
小さい声で「どうした？」って聞いたら
「私、お兄さんに嫌われてるの？みんながいただけるもの、持って来ればよかった」
そんな事言うからさー。
「お姉ちゃんが言ってたのが、当たってると思うよ。だから大丈夫」
「うちの親、アルコールがいいかもって言ったの俺だし。兄ちゃん、関係ねえから」
頭をポンポンってしてあげたら、
みんなが見えないとこで、俺のももに手を乗せてきて
だから、俺もその手に自分の手を重ねたんだ。
15：00頃になって、お酒も回ってきた人もいるし、
お昼寝の時間で、ママといなくなっちゃってる子もいるし、
Aは、あいてるお皿とかコップを片付け始めて、
キッチンに立つ、母ちゃんとAの背中を見て、
俺は、幸せな気持ちでいっぱいになった。
去年出来なかった事、やっと出来たよ。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2016年11月23日 15時
