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8 Daiki ページ8

Daiki




有岡「妊婦さんは、そういうトラブルが多いって書いてあったじゃん。

  辛かったのに、俺、助けてあげられなくてごめんね」





俺の方、全然見ないんだよ。




A「助けてくれなくていい・・・」





有岡「わかった・・・

  じゃあ、裕太先生に助けてもらおうな」





やっと目だけを俺に向けた。


とがった唇の、下の唇だけを引っ張ってみた。




A「いらい!(痛い!)」





有岡「よし、行こ!」





助手席に回り、Aの手を支えた。

地面に足がついたタイミングで、俺の胸の中に入ってきたから、ギュッと抱きしめた。





有岡「そんな事で、嫌いになるわけないじゃん。

  何でも話してほしいなって。

  そういう事も言い合える夫婦になりたい」





A「うん・・・」





手を差し出したら、いつもみたいにスッと手をつないできた。


まだまだ恋人同士みたいなとこがあって、新鮮で可愛い。


基本が純粋だから、俺に伝えるのが難しかったのかなって。


そういうの、ちゃんと読み取ってあげなくちゃな。














今日もちょっと待たされて呼ばれた。


Aは、その前に色んな検査をして戻ってくる。

その頃には、顔もいつも通り可愛い顔に戻ってた。





玉森「こんにちは、どうですか?」




A、ちゃんと言えるのかな。





A「あの・・・さっき、お腹がピキッて引っ張られたみたいになって。

  ちょっと痛かったんですけど、それがお腹が張ってるって事ですか?」





玉森「んー、お腹が硬くなるんだよね。

  どうでした?いつもと違いました?」





A「えっと・・わかりません・・・」





下を向いて、ダメだな私・・・みたいな顔をしている。





玉森「じゃあ、ここに仰向けで寝てください」





A「え・・・」





看護師「先生にお腹を見せますんで、タイツとかはいてたら、少し下げてね」





玉森「ご主人も一緒に、どうぞ・・」





いつもみたいに、ヒヨコっぽい顔でゴムの手袋をしながら言った。


もう、あっちの部屋に行かないんだな。


Aも戸惑った顔をして、ベッドの上に仰向けになっている。




長いワンピースをたくしあげ、すぐに看護師さんがバスタオルをかけてくれていた。


その下で、タイツをもぞもぞとおろしてるっぽい。





先生が、Aの横の丸椅子に座り、読み取るとこを持ちながら、お腹にゼリーを垂らしていた。




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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年2月21日 21時

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