7 Daiki ページ7
Daiki
有岡「え?恥かしい?」
頭をこくんと縦に振り、上目遣いで俺を見た。
せっかく斜め掛けのバッグにしまったスマホを取り出し、何か操作しだした。
そして、俺の目の前に、画面を差し出して見せた。
恐る恐る受け取り、その画面を見ると、「妊婦」という文字が見え、その先を読み進めた。
・
妊娠中
トラブル
便秘
痔
そんな言葉が並んでいて、画面から視線を上げ、Aの顔をパッと見た。
一瞬目が合ったのに、また下を向いてしまった。
A「・・・だから」
小さい声で、聞き取れたのは「だから」だけだった。
有岡「え?なんて?」
一歩近づいて、問いただした。
A「だからっ!」
急に声を張り、俺の手からスマホを奪った。
A「時間ないから、行こ」
有岡「あ・・・うん」
玄関に向かって歩き出し、俺も慌てて財布とスマホを持って後を追った。
・
・
助手席のAは、まっすぐ前を向き、口をとがらせている。
俺がシートベルトを引っ張ると、Aも引っ張る。
いつものやつだ。
駐車場から出るタイミングは、絶対話しかけてこない。
危ないっての知ってるみたい。
・
A「さっきの・・・」
有岡「あ?」
急に話しかけられて、ビックリして。
チラッと助手席に視線を送ったけど、Aは進行方向を見たまま続けた。
・
A「なっちゃったの・・・多分だけど。
恥かしいから・・・大貴には・・・知られたくなかった・・・」
声が震えてる・・・
もしかして泣いてるの?
有岡「え?便秘?
え?痔とか?」
A「ばかっ!」
俺の左肩を、パシンッと叩いた。
A「言わないでよー」
玉マタの駐車場に、バックで停めようとすると、どうしても助手席が視界に入ってくる。
目を真っ赤にして、口をギューッとつぐんで、俺の事にらんでるし。
無事に駐車完了したので、シートベルトを外すと、Aもゆっくりとシートベルトを外した。
有岡「ちょっと待って。
なんで、そんなに怒ってんの」
A「だって!
好きな人に、そんな事知られたくない!」
ちょっと怒った言い方・・・
やべー、可愛い・・・
Aの両手を、俺の両手で包んだ。
・
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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年2月21日 21時