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有岡「上の子って、下の子もいるんだ」




A「美枝のとこは、三人いる」





有岡「すげーな。

でも、俺達もそのくらいいてもいいかな」





A「三人かー。

大貴も私も、二人兄弟だから、未知の世界だね」






有岡「そうだな。

  でも、楽しそうだよな。

  頑張らねえとな」





A「ふふっ、そうだね」





有岡「頑張らねえとで思い出したんだけど、A、貧血あんじゃねえの?」





A「何?突然」





有岡「なんか、そういう本に書いてあったから」






A「へー、ちゃんと勉強してるんだー。

ちょっとね、採血の結果、危ないんだよね」






有岡「そっか・・・鉄分取らねえとな」






A「・・・うん、頑張る・・・」






有岡「でもさ、ほんとああいう時、どうしたらいいかわかんなくて焦る」





A「そうだよね。

もしさ、本当に大変な事態になったら、私の命より桃ちゃんの命を助けてあげてね。

そうじゃないと、自分だけ生きてても、残された人生が辛いもん」






有岡「え?!何言っちゃってんの?」





ちょうど赤信号だったんだけど、ブレーキがいつもより急で、強くて・・・

体が前に持っていかれそうになったら、大貴の左腕が伸び、私を支えて止めた。






有岡「ご、ごめん。

変な事言うから、動揺したじゃん!」






A「変な事は言ってないけど。

それ、ちゃんとお願いしとかないとって思ってたから」






有岡「ちょっと待って・・・」






信号が青になり走り出したけど、「停まるから」って言われて。



都内の道で、ちょっと停められるようなコンビニもないし、どうするのかと思ったら、首都高に入り、すぐにパーキングエリアで停まった。





有岡「ごめん・・・そういう大切な話は、ちゃんとしたくて」





A「うん・・・」





そんな大袈裟な話じゃなかったんだけどな。






有岡「何飲む?」






A「大貴と同じ、コーラ」





有岡「ふっ、何でわかんの?」





私の答えを待たずに、車から出て行った。



大好きな人の背中を目で追う。


自動販売機でコーラを二本買い、無表情のまま、うつむきながら帰ってくる姿は、やっぱりカッコいい。


それを堂々と目で追っているのも、私の旦那様だから出来る事。


数メートル手前からは、目が合う。


二人で、
はにかむ。





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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年2月21日 21時

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