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Daiki



A「開けて、いい?」




有岡「うん、いいよ」





華奢な指が、白いリボンをほどき、箱を開けた。

その中の、水色の巾着の中身を、そっと手の平に出した。





A「わっ、ネックレスと同じ、オープンハートのピアスだ・・・

  可愛い・・・」





有岡「どお?気に入ってもらえた?」





A「うん、してみるね」




耳元に手を置き、星の形のピアスを外し、ハートのピアスをつけた。




A「どお?」





有岡「いいと思うよ」





窓ガラスに映る自分の顔を見て、確認してるみたいだ。





A「ありがとね、大切にする」





有岡「いや、A、いつもそれつけてくれてるけど、最近、俺ピアスしてないじゃん。

  だったら、俺とおそろいじゃ出来ない形でもいいかなって思ってさ。

  有岡さん、いっつも同じのしてるって思われなくて済むぜ」





A「別に、同じのしてても、気にならないけど。

  大貴が気になるんでしょ?

  これからは、気分でつけよ」






有岡「さて、そろそろ帰りますか」





A「うん」









俺の好きな言葉・・・一緒の所に帰るよって言葉。


その言葉に、満面の笑みで「うん」っていうA。





表参道からだと、一回乗り換えて、約一時間電車に揺られる。


それでも、同じ所に帰るんだから、俺は全然苦にならない。


Aは、少しお腹も分かるようになってきたけど、マタニティーマークはつけたくないって言うから。


席が空いたら、すぐに座らせた。




最寄駅から自宅まで歩いてる途中で、Aが言った。





A「二人だけで、こんな風に過ごせるのってあとちょっとだね。

  桃ちゃんに、大貴をとられちゃったら、こんな風に手もつなげないね」





有岡「反対の手が空いてるけど?」





A「いや!私だけの大貴だもん」





ノンアルのスパークリングワインで、酔っぱらっちゃったのかな。


暗くて分からないけど、きっと頬を赤らめてる。


俺の右腕にしがみついて、自分だけのものってしてくれてるんだね。






おうちに帰ったら、ご褒美のキスをいっぱいしてあげるね。

















その週末、四週間ぶりの玉マタの検診日だった。

それなのに、朝からショックな事を言われた。





A「ごめん・・・一人で行ってくるね」





有岡「え?!なんでだよ、俺も行く!」





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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年2月21日 21時

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