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鳴り止まない拍手・・・
ずっと頭を下げてた伊野ちゃんが、ゆっくり頭を上げたら。
クールな表情がカッコ可愛い伊野ちゃんの顔が、グチャグチャになってた。
一番後ろの席から、薮くんが
薮「伊野尾!よく言った!」
大きな声を出してるし。
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隣りの大貴も、もちろん泣いてる。
ちゃんとハンカチは持ってきてたみたい。
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私の方の招待客は、私がどんな人生を送ってきたのかよく知ってて。
涼介に振られて、人生終わったみたいな時に、みんなが励ましてくれたから。
だから伊野ちゃんと同じような気持ちになってくれてるのかな。
横顔が、みんな泣いてくれてた。
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大貴のお客さんは、若干、ポカンとしてるけど、それはそれ。
面倒な奥さんもらったなって思われてるかもね。
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と、突然、美枝が立ち上がり、伊野ちゃんの前・・・マイクの前に立った。
伊野ちゃんが後ずさりする前で、深々とこちらにお辞儀をした。
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美枝「先ほどは、大変失礼しました。
えっと、大貴くんの方の招待客の皆様は、なんのこっちゃだと思いますが、
彼女にとっては、本当に、本当に大切な話でして。
真面目過ぎるとこが、長所でもあり短所でもあり、人生損をしてきました。
年貢の納め時の若くてカッコいい旦那様と一緒に、素敵な結婚生活を送っていただければと思います。
私は、母親の気分で、嫁に出す気持ちです。
本当に、おめでとうございました」
また頭を深く下げ、私の前を通る時に、小さく手を振って、自分の席に着いた。
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美枝・・・・ありがと。
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伊野ちゃんが、またマイクの前に立った。
伊野尾「えっと、有岡家のご両親がいらっしゃれば・・・」
またドッと笑いが起きて、場が和んだ。
大貴がすっと立ちあがって
有岡「なんだよ、いねえのかよ!」
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多分、本気で怒ってるけど。
ただのネタのように思われて、みんなに笑われてる。
ちょっと可哀相。
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伊野尾「それでは、いらっしゃらないようなので、披露宴をめでたくお開きとさせて頂きます」
大貴は、ドスンと腰をおろした。
伊野尾「本日は、本当にありがとうございました。
また、つたない司会にもかかわらず、最後までお付き合い頂きまして、誠にありがとうございました」
そう、笑顔で幕を閉じた。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年2月21日 21時