10 Daiki ページ10
Daiki
A「はい・・・」
とりあえず納得させて、二人で箱を開け、検査方法を見た。
有岡「ほー、二秒ね。
俺が手伝ってあげようか？」
A「何言ってんのよ！
今までの彼女に、手伝ってあげたことがあるの？」
有岡「妊娠させたことなんか、ねえわ！
Aの、元カレと一緒にすんな！」
A「やめてあげて。涼介が可哀相」
有岡「あっ！あいつの味方した！
その呼び方、やめろって」
A「だって・・・」
別に喧嘩なんかしたくねえのに、ついヤキモチからこんな言い合いになっちゃうんだよ。
有岡「ごめん・・・悪かった。
じゃあ、検査しよ！」
そう言って立ち上がったら、腕を引っ張られ、ソファーに座らせられた。
A「私一人で行ってくるから、ここで待ってて」
やっと検査する段階まで来た。
なんやかんやと、ずいぶん時間をとったな。
Aは、検査するスティック状のものをプラプラと持ち、リビングから出て行った。
俺は、もう一度説明書を見て、陽性の場合と陰性の場合のサインの復習をした。
検査時間に一分かかると書いてある。
すげードキドキするな・・・・
・
トイレのドアが閉まる音がした。
気持ち悪くなって、閉じこもったりしても心配だから、その音が気になっていた。
片手にスマホ、片手に紙コップにスティックを立てて、スティックにトイレットペーパーがかけられている。
A「あと、１０秒・・・」
二人で、トイレットペーパーを見ている。
ピピピピッ
ピピピピッ
二人で目を合わせた。
有岡「二本、線が出てたら陽性。
右側だけだったら陰性。
大丈夫かな」
A「うん」
受験の結果を見るときみたいに、めちゃくちゃ緊張している。
Aの手に握られてる紙コップに手を添え、そっとトイレットペーパーを外し、スティックをつかみ持ち上げた。
有岡「おぁ！！」
A「あっ！」
二人同時に声が出た。
・
有岡「これって、二本、線が出てるよな」
A「うん・・・多分・・・・」
俺は、紙コップとスティックをサイドテーブルに置き、Aを抱きしめた。
有岡「良かった、つわりだった」
A「ふふっ、つわりは辛いんですけど」
そう言って、ふふふって笑ってる。
・
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2018年1月21日 21時
