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有岡「いや、もう一台あるの。

  母ちゃん用のやつあっから、大丈夫なんだって」




お義母さんがお風呂の準備にとりかかってるから、大貴が代わりに答えた。




A「えっ、そうなの?」





有岡「こっちもさ、母ちゃん用のだけじゃ、父ちゃんも俺も不便で。

  それで、俺の車を買うことになったってわけ」





A「そうなのか・・」





そしてよーく考えた。

自分の預貯金を。





有岡「ねえ、俺、結構車のお金出したから、その分、返ってくるかな?」





浴室に行こうとしてるお義母さんに向かって、お金をちょうだいって言ってる大貴。





義母「そうね、お父さんに相談してみて」





そう言って消えていき、代わりにお義父さんが現れた。


ためらいもせず、お義父さんに向かって話しかける。





有岡「ねえ、俺達、Aが運転出来そうな車を買おうと思うんだ。

  だから、俺の白い車、置いてってもいい?」






義父「いいけど・・・」






有岡「でも、遠出したり、人を乗せる時は貸してほしいのね」





義父「まあ、大丈夫だけど・・・」





有岡「ねえ、俺の車、結構お金出してるんだけどさー」





何か似てる・・・

うちの妹に似てる・・・

次男(次女)って、そういう事平気で言えるんだね。





A「あ、あのー、私、出せると思うよ。

  小さい車くらいだったら、買えるよ」





お義父さんも大貴も、同じタイミングで私を見た。

お義父さんも、出してもいいかなって思ってたみたいな顔をしている。





有岡「えっ!?いや・・・あの・・・

  あー、ちょっとその話は、まずAとするべきだったけど。

  父ちゃん!!」





義父「いや、そうだな。

  お母さんに相談してみないとな」





結局、どうするか結論が出ず。

お義父さんは寝るようで、リビングから出て行ってしまった。










A「なんで、ダメなの?」





有岡「だって、やっぱり、奥さんの方がそんな金出すとか、ないだろ普通」





A「ホントは、大貴が一生懸命お金貯めて買った車だから、手放すのは申し訳ないと思ってるの。

  だけど、高さも高いし、子供の乗せ降ろしも大変そうだし、運転も自信ないしで、私がいけないからさ」




有岡「んー、あれは街乗りには向いてないんだよね。

  燃費悪いし、大きいし、そう、子供の乗せ降ろしは大変だと思うから」






 

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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年1月21日 21時

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