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Daiki



浴室で洗面器を取る数秒の間に、洗面所で口をゆすいでいた。

洗面台の淵に、両手を着き、鏡の中の自分を見ていた。

次の瞬間、水で顔を洗いだした。




バシャンッバシャンッ・・・





ビックリした。

すげー冷たいと思うから。

慌てて、フェイスタオルをもう一枚出し、また鏡を見てるAに差し出した。





A「ごめん、ありがと。

  少し落ち着いた・・・」





俺からタオルを受け取り、ビタビタの顔を、抑えるように拭いていた。

喋らないAにイライラしてたのに、ちょっと喋りだしたからビックリした。





A「寒ーい!」





そう言いながら、チョコチョコと歩き出し、キッチンで何かを取ってから、リビングのソファーに座っていた。


俺は、唖然として、その後ろ姿を見ていた。





A「大貴ー!」






いつもよりは、小さい声で呼ばれた。






有岡「おぉ、どうした」






A「お仕事のカバンから、タブレット持ってきて」






有岡「あ、うん・・・」




俺の目の前で起きてる事が、何なのかは分かるんだけど。

Aに、何かとりついちゃったみたいで、ちょっと怖くなった。

やっぱり、大変な事なんだな。

Aの事が、めちゃくちゃ心配になった。










有岡「はい・・・」





洗面器をサイドテーブルに置き、タブレットをAに渡した。

電源を入れた状態で渡さないと、ご機嫌斜めになるから、Aの手元に届いた時には、ほぼ立ち上がってるはず。





Aの横に座り、きっと何かを見せてくるんだろうから、それを待った。





A「これ見て」




有岡「妊娠週数カレンダー?」





A「そう。

  で、最終生理開始日が11月15日。

  生理周期は、平均すると30日くらいかな」






そう言いながら、数字を入力している。






A「はい、これ!

  今日は12月23日だから、もし妊娠してたら、妊娠二か月で5週になるのね。

  ちなみに、出産予定日は8月24日」






有岡「え?!すげー夏だな」






A「ふふふっ」






有岡「え、ちょっと。

  やっぱり妊娠してるの?ねえ」






A「わかんない」






有岡「わかんないって、俺、何見せられてんのよ」






A「でね、これ見て」





今度は、検索ワードに「つわり」「ひどい」なんて入力してる。






A「ここ・・・」






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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年1月21日 21時

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