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東京駅は、相変わらず人でごった返していて。
大貴に引っ張られて、乗り換えのホームを目指した。
半歩前を歩く大貴は、時々私を見て、ニコッて笑っている。
有岡「座れるといいな」
きっと、私だけでも座れるといいなって事なんだろうけど。
30分くらい大丈夫だと思うよ。
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満席状態で電車が到着し、4人掛けのボックス席が、一つだけ空いていた。
大貴に腰を押され、強引に座らせられた。
幸い、通路側の一席だったから、すぐ隣に立っててくれたけど。
この強引さも優しさなんだから、有難いと思わないといけないな。
またイヤホンを片方渡された。
音楽を一緒に聴こうというより、独占欲なのがわかったので。
言われたまま、大貴と繋がった。
音楽が流れてるんだけど、大貴がスマホをいじってるので、ピロンピロンと何かが着信する音が何度もする。
私が不快な顔でもしてたのか、わざわざ画面を見せてくれた。
LINEの画面で、お義母さんとのやりとりだった。
義母『駅まで迎えに行って、そのまま外食しましょ』
『Aちゃん、何がいいかしら』
有岡『候補は?』
義母『お蕎麦屋さん、中華、ファミレス、ラーメン、回転寿司』
その画面を私に見せ、「何がいい?」って聞かれた。
きっと、つわりがあるって話したみたいだから、気を使ってくれてるんだよね。
「何でもいい」って言ってもよかったんだけど、一番食べたいと思った「お蕎麦・・・」って答えた。
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これからも、大貴の実家とはまあまあ近いから、いっぱい関わってくる訳だし。
失礼がない範囲で、自分の思った事を言っていこうかと思ってて。
嫁姑問題って、特に問題がなくても、やっぱり気を遣うよなって思った。
途中で、大貴も向かい側に座れて。
大貴の膝と膝の間に、私の両膝が入って、変な守られた感があった。
イヤホンが届かなくなったので、返しちゃったんだけど。
時々、私の足を挟み込んでくるのが、きっと俺の物アピールなのかなって思って。
「やめて」とは言わずに、独占されることにした。
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今月初めにも、新居を探すために、大貴の実家にはお世話になってるから、そんな久しぶり感はなかった。
駅のロータリーに、大貴の白い車が停まっていた。
そうだ、大貴のじゃなくて、有岡家の車なんだよね。
車をどうするかまで、考えてなかったよ。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年1月21日 21時