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「お待たせしましたー
大盛りのお客様ー」
有岡「はい・・・」
A「ふふっ、美味しそう」
有岡「だな。
では、仙台での最後の食事に乾杯！」
そう言って、テールスープを持ち上げたので、軽く合わせて、二人同時に口に運んだ。
A「うん、美味しい！」
有岡「うんまっ！
あの日、Aと美味しいを共有出来て、すげー嬉しかったなー」
A「私もだよ。
またこの人と、『美味しい』って言い合いたいって思った。
でもさ、大貴・・・」
有岡「え？」
A「色々言ってるけど、絶対離れられない理由があるの、分かってるよね」
ちょっとキツめに言い、お腹に手を置き、なでた。
有岡「そうなんだけどね。
その子を二人で育ててくんだけどね。
忘れてた気持ちが、急に現れて、自分でもビックリしたんだもん」
A「この一年・・・色々あったからね。
でも、楽しい思い出の方が多いよ」
有岡「俺もだよ。
必死にお金貯めたり、結婚式の準備したりしてたけどさ、Aとの将来を考えたら頑張れた。
ねえ、さっき写真撮りたいって、俺を落ち着かせようとして言ったの？」
A「うん、そう」
有岡「チューは？」
A「軽井沢で、結婚式するって知らない時に、キスして欲しかったみたいな事言ったの覚えてる？」
有岡「もちろん覚えてるよ」
A「不安な時は、手をつなぐとかチューすると落ち着くから。
だから、二人っきりで写真撮って、チューもしてみた。
自分からあんな風にしたの初めてで、恥ずかしかったんだからね」
有岡「久しぶりに、お姉さん感が出てて、よかった」
A「何それ」
有岡「いいじゃん、別に。
年上彼女だから、いいよね」
A「いいのかな？
ねえ、全部食べられないんだけど、食べられる？」
有岡「まかせとけ！」
チューの話なんてして、恥ずかしかったから。
そのワードを発する時だけ小声で話して。
いつもの感じで話してたら、大貴の顔が穏やかになっていくのが分かって、よかった。
A「ねえ、お土産買っていこうね」
有岡「そうだな」
・
つまずいたり、不安になったら、二人で立ち止まって手を取り合おうね。
心の中で、そう話しかけた。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2018年1月21日 21時
