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Daiki
A「おやすみなさい」
仙台での最後の夜も、二人仲良く眠りについた。
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A「大貴、そろそろ起きて。
引越屋さん来るから」
引越屋さんが11時。
不動産屋さんが13時。
スマホの時間を確認すると、9時半だった。
妊婦の体を気遣わないとって思ってたから、慌てて起きた。
A「朝ごはんです」
そう言って、コンビニの袋を渡され、中の菓子パンをかじりながら、今着てたパジャマはどうしたらいいのかとか、あと何をやるのかとか、やっぱり指示を待っていた。
荷物は、今日中には千葉には届かないので、すぐ使うものはキャリーケース。
一日我慢できるものは、段ボールと、一つずつ確認しては、荷物を片付けていった。
昨日あげたアメが、カウンターの上に乗っていて、食べた形跡があった。
早速食べてくれたんだって嬉しかった反面、もしかしたら気持ち悪いのかもしれないと思って、心配になった。
それでも、引越屋さんが来ると、テキパキと指示を出していて、仕事中を思い出させた。
大きなダブルベッドは、解体され。
ソファーは、そのままで大丈夫だったな。
冷蔵庫は、このまま廃棄してもらうことになってた。
ずいぶん使っていて、二人暮らしには少し小さいからって。
一時間ちょっとで片付き、トラックを見送って、再び部屋に入った。
玄関に、キャリーケースと斜め掛けするバッグがあるだけになった。
なんだろ・・・トラウマなの？
思わずAを抱きしめた。
A「大貴、お疲れ様。
手伝ってくれて、ありがとね。
ちょ、ちょっと・・・痛いんだけど」
有岡「ごめん・・・何か怖くなって・・・
去年、この後、振られたから。
この、何もなくなった感じが、怖いよ」
また、子供みたいだって思ったけど。
でも、言わずにはいられなかった。
A「大丈夫だって。
私達、夫婦なんだよ。
これから一緒に暮らすんでしょ？」
Aの手が、俺の背中をなでてくれていた。
A「ごめんね、私のせいだね。
ホントに、ごめんね」
何度も何度も謝る声が、少しだけ俺を落ち着かせた。
そこに、不動産屋さんが来た。
使用状況の確認をしてる間も、Aの手を離せなかった。
それでも嫌がらず、俺の手をギュッて握ってくれていた。
こっちこそ、ごめん・・
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2018年1月21日 21時
