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Daiki
A「大貴、起きて。
朝だよ」
優しく体をゆすられる。
まだ起きなくて大丈夫・・・って思ってたのに
A「ご、ごめん、大貴。
ちょっと私・・・起きてね」
そう言って、慌てて寝室から出て行った。
あぁ・・・調子悪いのに起こしてもらっちゃって、ごめん。
頑張って起き上がり、仕度を始めた。
モコモコのパーカー姿で、洗濯物を干していた。
キッチンには、いつも通り、おにぎりが準備されていた。
A「あー、寒ーい」
有岡「ごめん、ご飯の臭いダメなのに、おにぎり作ってもらって。
言い忘れたな、いらないって」
A「うん、いいの。
仙台から出勤するの、今日が最後だから。
やっぱり作りたかった」
ポフンッと俺の胸の中に入ってきて、モコモコがくすぐったい。
有岡「ありがと」
そうひと言だけ言い、体を離してAの顔を見た。
アヒルみたいな口をして、俺を見上げた。
A「遠いのに、ありがとね」
有岡「あぁ・・・」
軽くキスをした。
まだ化粧をしてなかったけど、なんとなく軽いキス。
・
A「あっ、これ外さないと」
Aの右手が、俺の左の耳に触れた。
華奢な指は、とっても冷たくて、ヒヤッて反応しちゃったくらい。
あっ、ピアスか・・・忘れてた。
少し背伸びをしてるのが、やっぱり可愛い。
玄関でコートを着て、マフラーをグルグルと首に巻いた。
靴をはき、振り返る。
・
有岡「じゃあ、行ってくる。
仕事納めの28日は、最後の新幹線になっちゃうかも」
A「うん、分かってる。
私も、お別れ会が軽くあるみたいだし、大丈夫だよ」
そしてまた、行ってきますのキスをする。
またしばらくお別れ・・・
有岡「行ってきます」
A「いってらっしゃい」
仙台での、なんとも言えない、寂しい行ってきますも、今日で最後。
だからって、嬉しい気持ちにはなれなくて。
やっぱり、切ない。
扉の隙間から顔を出し、手を振ってくれる。
階段を降りる俺の姿が見えなくなると、部屋に入るみたい。
まだ暗い道を、白い息を吐きながら駅に向かう。
もう夫婦だから単身赴任って言うのかな。
一年間の単身赴任・・・あともう少しの辛抱・・・
・
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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年1月21日 21時