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有岡「なんかさ、事前にAに色々教えてもらってたから、この重みをちゃんと感じるよ」
A「大人に、なったねー」
有岡「その口、なんだよ。
年上ぶってさー。
そういう口には、こうしちゃうんだからな」
そう言って大貴は、両手で私のほっぺを挟んだ。
「包んだ」じゃなくて「挟んだ」の。
そして、赤い唇が、私の唇にくっついた。
ブチューって。
そういうのじゃないのがいいのに・・・
今日は、まだ一回もしてないから。
雑に扱われた感が・・・かなり悲しくて。
有岡「わぁっ、なんだよ。
ちょっとふざけただけじゃん」
なんだろ。
涙が出てきちゃって。
A「だって・・・もっと優しくしてほしい・・・」
有岡「え・・・なんか、そんな風に言われんの、初めてじゃね？
妊娠の力って、すげー！」
A「すごくない！」
有岡「わかった、わかった。
じゃあ、まず、ここに座って」
私が好きなやつ・・・
大貴が、ソファーに深く座って、その前に私を座らせ、後ろから抱っこされる状態になった。
背中に、大貴の体温を感じると、すごく安心できるの。
そして、左手の甲を包み込むように重ねると、お揃いのマリッジリングも重なって、一体感が増すから。
右手は、私のお腹に優しく触れている。
私の顔の左側に、大貴の顔があって、耳元で囁いた。
有岡「Aばっかり大変で、申し訳ないけどさ。
俺、ちゃんと夫として、父親として、頑張るからね。
早く、一緒に住みたい・・・
あと一週間・・・もう少しの辛抱だね。
色々、楽しみ・・・・
愛してるよ・・・」
まだ午前中だってのに、かなり恥ずかしい事言われて。
でも、こんな風にされると、やっぱり嬉しい。
いつも、一生懸命私の事大切にしてくれるから、大好き・・・
A「私も・・・」
左に少し振り向くと、大貴の口元がそばにあって。
お腹に回った右手が、しっかり私を支えてくれて。
そのまま、優しくて温かい唇が、チュッて触れた。
一度離れたあと「ふっ」って笑われて、またキスをした。
今度は、ずっとずっと長いやつ。
え？
あ？
まずい・・・
慌てて大貴の口から離れた。
アメを急いでポケットから出したら、ひとこと言われた。
有岡「つわり、最低ー」
ごめんね。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2018年1月21日 21時
