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A「妊娠すると、薬を飲めなくなるから、万が一って事は避けてかなくちゃいけないんだって。

頭痛薬も飲めなくなるし、風邪も引けないね」






有岡「なるほど。じゃあ、生ものじゃなければいいの?」




A「うん。たくあんとか梅干しとか刻んで混ぜたら、食べられるかね」




有岡「梅は、あれだな」





A「大丈夫、自分でやるから。

ただ、炊きたてのご飯にすし酢を混ぜるのが恐怖だな」





有岡「俺がいる時は、やれるし。

あと三ヶ月くらい続くんだろ。

頑張らないとな」





A「うん、世の中のお母さんは、みんな体験してるんだもん。

きっと大丈夫だよ。

お母さんになれるか、テストされてるみたいだけどね」





有岡「Aなら大丈夫だよ」





たまに見せる満面の笑み。

一人じゃない・・・そう思えるだけで、心強い。











結局、そうめんも、軽井沢で買ってきたお椀に一杯だけしか食べられなくて、他にミカンも一つ食べた。

片付けもしてもらって、お風呂に入る準備をした。




有岡「湯船、長くつかってらんねえとかあるかもだから、俺が先に入っていい?」




A「うん、いいよ」




有岡「なんかあったら、呼べよ」




A「うん」











こんな狭い家なのに、ちょっと離れるだけで気にかけてくれて。


そんな過保護にしなくたっていいのにって、ちょっと照れる。


空腹じゃないと、少し楽なので、ソファーの上で膝をかかえ、呼ばれるまで目を閉じていた。










有岡「Aー!」





やっぱり寝ちゃったか・・・




何か、大きな声を出せる感じがしなくて、仕度をして、パタパタと浴室に向かった。


浴室のドアを開けると、湯船につかり、足を出来るだけ伸ばし、目をつぶっていた。


髪の毛が濡れて、眉毛が見えてる顔が好き。


多分、普段見えない部分が見えるから。


私だけの特権とか、思っちゃう。





まあ、あれですよね、眉毛だけじゃなくて、全身見えちゃうんですけどね。





動かない大貴を背中に、シャワーヘッドの方に向かって、髪の毛から洗い始めた。


いまだに恥ずかしくて。


洗い終わるまで、よっぽどの事がない限り、振り向きたくない。


今日は大貴が静かで、気持ちが悪い。


話しかけられないし、顔だけ振り向いてみたけど、目を閉じて寝てしまってるようだ。





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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年1月21日 21時

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