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ビルは少し奥まっていて、手前は駐車場になっていた。

多分、普段は患者さんが停めるスペースで、今日は祝日の為お休みなので、チェーンが張られていた。




大ちゃんは車を降り、そのチェーンを外して、そこに駐車した。









はーーーっ、とうとう着いちゃった。




大ちゃんは、スーツの上着を着てから、


ダイキを起こし、蝶ネクタイをつけ、抱っこする。


一階は、「有岡」と名前の入った内科医院。


二、三階は貸してるっぽかった。


4階はお兄さん家族が住んでいて、ご両親は、5階に住んでるんだって。










ビルの中のエレベーターに乗り、最上階に着いた。



玄関を開ける前に、私の事をじっと見て言った。







大貴「大丈夫だから・・・安心して」






A「うん・・・」





そして、玄関のドアを開けながら「ただいま」と大きめの声を出した。





部屋の奥から「はーい」という声とともに、多分、お母さんが現れた。



キレイな、上品な方・・・






母「はい、いらっしゃい」





A「初めまして。萩原Aです。

  息子の・・・ダイキです」






息子の名前を言う事に躊躇して、少し小さな声になっていたかもしれない。






母「大貴の母です。

  どうぞ、あがって。

  ダイキくん、疲れたかな」





ダイキは、大ちゃんの首に回してる腕を、ギュッと強くしめた。





大貴「ダイキ、ご挨拶しよ。

  こんにちは!」




ダイキはお母さんをじっと見て、小さな声で「こんにちは」と告げた。




母「ふふっ、可愛いわね」





大ちゃんは、靴を脱ぎながら、お母さんに話しかけていた。





大貴「東京駅でさ、ダイキが喘息の発作出ちゃって、大変だったんだよ。

  今回は、重症にはならなかったけど、過敏だな」






母「そうなのね。

  ダイキくん、辛かったのね。

  でも、お医者さんが・・・あぁ、経験者がいたから、大丈夫だったかな。

  あなたが、ダイキダイキって言うの、何か違和感があるわ。

  それに、すっかりお父さんなのね」





大貴「おいっ、それ言うなって言っただろ」






母「あ・・そうだった」






大貴「A、あがって」






A「はい・・・お邪魔します・・・」





靴を脱ぎ、振り返ってしゃがみ、靴の向きを変えてる間に、三人は奥へと入って行ってしまった。


慌てて着いて行った。






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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年11月5日 12時

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