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A「うん・・・」
大貴「なんだよ、泣くなって」
A「力・・・抜けた・・・
自分だって、泣いてるじゃん。
ダイキが似ちゃったんだよ、それ」
大貴「えっ?!泣き虫なの?」
A「うん・・・。
ダイキをあの時もらって、よかった・・・」
大貴「そうだよな・・・
きっと、俺らを引き寄せてくれたの、ダイキくんだよな」
A「お月様もだよ・・・
私、いつも会いたいって願ってた」
大貴「ちょっと、待って!
昼間、俺の事、馬鹿にしたよな」
A「ふふっ、そうだっけ?
あのね、ダイキってね、ちょっと変わってるの・・・」
大貴「例えば?」
A「今日は、お月様見えるかな・・・
あ、あった。
今日は、下弦の月だからそうでもないんだけど。
あの、その前にね、僕のパパはどこ?って聞くから。
遠いところで、お友達の命を助けるお仕事をしてるんだよって教えてるのね」
大貴「パパがいないって、思ってるんだ」
A「雄也が、パパと間違われる事多くて、でも否定するから、疑問に思ったんじゃない?
パパの定義も、よくわかってないんだけど、保育園の友達にはパパがいるから、聞かれるようになって」
大貴「で、そう答えるわけだ」
A「うん。リアルすぎて、良くないかと思ったんだけど、作り話過ぎると、ボロが出そうで。
でね、お月様を指差して「あのくらい遠く?」って聞くから、そうだって答えたの」
大貴「なんか、リアルじゃないよね」
A「仕方ないじゃん。
会いに行けそうにないとこだし、いいかなって思って。
でね、満月の時は特にひどいんだけど、お月様をね、暗い空の穴だと思ってるのよ」
大貴「え・・・」
A「穴の向こうの明るい世界に、パパがいると思ってるみたいで、ベランダでパパを呼ぶの。
パパー!パパ―!・・・誕生日前は、トーマス買って!とかって」
大貴「それ、やばいよ・・・」
A「でしょ?心配でね・・」
大貴「じゃなくてさ、俺も小さい時そう思ってたから」
A「えっ!嘘でしょ!」
大貴「ホント。向こうの世界は、まだ寝なくていいんだー、まだゲーム出来て羨ましいなーって思ってた」
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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年11月5日 12時