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A「大ちゃん、今、彼女はいないの?」





大貴「いない、一カ月前に別れた」





一カ月前までは、いたんだ・・・・

いても当然だと思いながらも、ショックを受けてる自分が嫌だ。






A「ちゃんと、彼女作ってたんじゃん。

  そうやって、また新しい娘を探してった方がいいよ」






大貴「ハーーッ」





嫌がらせの様な、大きなため息をついた。





大貴「告白されて、断る理由もなくて、取りあえず付き合って。

  忙しいながらも、連絡して、時々会って、男女の関係になって。

  酔っ払って連れ込んだんじゃないのに、なんかモヤモヤして、スッキリしなくて。

  で、突然フラれる・・・

  短くて1ヶ月、長くて半年。

  半年って言っても、最後の1ヵ月半は、連絡もとってなかったけど。

  5.6人、付き合ったかな。

  これって、恋愛なの?彼女がいるって言っていいの?

  そんな自問自答をしてきた」





途中で、聞きたくない事も入ってきた。

多分、わざと言ったんだと思うけど。

私に、ヤキモチをやかせる為?






私が下を向いていると、横から覗きこんできた。






大貴「なあ、誰のせいかわかってんの?

  全部、Aのせいだかんな!」





いつも穏やかで、ニコニコしてる大ちゃんの怒った顔が、怖かった。


私のせいで、大ちゃんの人生が無駄になってるの?






A「ご、ごめんなさい」





大貴「何度も言うけど、自分だけ幸せとか、ぜってー許さねえから」























A「好きな人と一緒にいられないんだもん。

  幸せじゃない事も、あったよ」





怒りだした大ちゃんが怖くて、少し小さな声で、今までの事を話しだした。






A「産婦人科で、夫婦で来てる人をいいなって思ったり、出産後、旦那さんがビデオ回してたりするの見て、涙が出てきたり。

  ダイキにパパは?って聞かれるようになって、何て答えようかと思ったり・・・

  でも、ダイキがいる事だけは幸せだった」






まっすぐ遠くの海を見た。






A「ここでダイキ産んだから、この景色、見てたよ。

  子供を授かった喜びと、一人で育てる現実と、色んな思いで病室から見てた。

  月がキレイに見える日は、誰かに見守られてる気持ちになってホッとしてたな」





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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年10月20日 20時

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