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こんなとこで、会っちゃいけなかった。










あのクリスマスの日にお別れをして、お互い、どんな辛い気持ちだったか考えたら、こんなに普通に話してる事に、違和感があった。





大ちゃんは、ダイキを自分の子供と認め、あんな優しい顔をしてたし。


もっと父親らしい事をしたいと言い出してる。





私は、息子に好きな人そして父親の名前を付けるという非常識な事をして、永遠に結ばれない人を、頭の中だけで独占し生きてきた。




それを、お月様の神様からのご褒美だからと、ここで出会えた事を喜べないし、ましてや息子に「お父さんだよ」なんて絶対言えない。










やっぱり、東京にいた頃の友達としか、思っちゃいけないんだよ。











大貴「俺は、幸せじゃない・・・

  自分だけ、ずりいじゃん。

  自分だけ、自分のしたいようにして、俺を捨ててさ」












ハッとした・・・・



そう、それは気が付いていた。



大ちゃんが優しい事を知り、私の事を好きだという事も知り、それを利用していた。










A「ごめん・・・」






大貴「ごめんじゃなくて!

  俺の、俺がしたい事だって、させてくれっての」







A「俺のしたい事?なんか、あるの?」







大貴「俺と結婚して、ちゃんと俺とAの子として、育てたい。

  一緒に・・・」






絶対、それを言うと思ってた。






A「結婚は・・・出来ない。

  それに、結婚は、二人だけの問題じゃないから。

  大ちゃん家のご両親の承諾もないと、出来ないんだよ。

  息子の子供が、すでに生まれててとか・・・どういう事だってなる。

  子連れのバツイチの方が、説明が簡単かもしれないね」







大貴「じゃあ、うちの親を説得出来たら、いい?」






A「えっ!」






大貴「それくらい本気だから」






A「きっと!きっと、久しぶりに会って、昔の思いが溢れ出してるだけだから・・・

  だから、そんなに慌てる必要なくて、もっと大ちゃんの将来の事も考えないと」







大貴「なんかさ・・・嫌なの?俺の事・・・

  Aは、もう俺の事、好きじゃなくなっちゃったの?」






そんな真っ直ぐな目で、問い詰められると、本当の事も言えなくなる。


本当の気持ちは、言ってはいけない気もしている。













 

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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年10月20日 20時

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