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Daiki
大貴「大丈夫?」
ダイキ「いて。だいじょうぶ!」
その子の両脇をつかみ、立ち上がらせた。
母「す、すみません!」
・
お母さんと目が合った。
・
母「あっ・・・」
・
・
目が合ったのに、ちょっと恥ずかしくて、視線をそらしながら言った。
大貴「久しぶり!・・・・です・・・
Aちゃん・・・」
・
・
A「えっと・・・お久しぶり・・・です」
大貴「Aちゃんの子?
ダイキって言うの?」
A「あっ、・・・・・はい・・・」
Aって呼び捨てでは呼べなかった。
もう、俺の顔を見てくんねえし。
でも、Aちゃんは、手をギュッと握って、その手が小刻みに震えているのが分かった。
そして、険しい顔で眉間にシワを寄せていた。
・
俺の足元でキョトンとしている、小さな男の子ダイキくんと、視線を合わせる為に、しゃがんだ。
大貴「お母さんのいう事、ちゃんと聞かないと、怪我するよ」
ダイキ「ごめんなさい。
でもね、せんせー・・・うんろうかいのれんしゅうしてたの」
大貴「ん?運動会?運動会があるのか。
でも、病院の中で走ったりしちゃダメだぞ!」
A「す、すみません!
ちゃんと・・・言って聞かせますんで」
大貴「今日は?どっちかが具合悪くて来たの?」
A「ダイキが・・・えっと息子が、小児ぜんそくで。
定期的に、小児科で診ていただいてます」
その言葉を聞いた時、衝撃が走った。
すっかり忘れていたから。
小児ぜんそくは遺伝するって事。
大貴「あの・・・もしかして、お父さんが小児ぜんそくだったとかある?」
・
・
A「はい・・・確か・・・そう言ってたかと」
大貴「あ、じゃあ、この子って・・・」
・
Aは、手に力を入れたまま、頭だけをコクリとゆっくり降ろし、そのまま下を向いてしまった。
・
俺の子・・・か。
・
涙が出そうだった。
Aも、泣いてるんじゃないかと思うくらい目を赤くしている。
ダイキ「せんせー!
きのうね、ダイキのね、おたんじょうびだったの!」
大貴「え?昨日?
えっと9月9日?」
ダイキ「そお!」
・
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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年10月20日 20時