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Daiki




『それで、大ちゃんに例の件をお願いしたんだ。



 引越し先は、運よくいい所が見つかって、そこで赤ちゃんとも暮らせそうです。

 今まで一人でしんみり生きて来たけど、30代後半は、少し楽しい事もあるといいなって思って。





 大ちゃんに出会えて、本当に楽しかったし、幸せだった。

 たった3ヶ月だったのに、どんどん好きになって。

 グレーだった毎日が、鮮やかに彩られていって。



 私にとって、最後の恋になると思うから、大ちゃんの事は一生忘れません。

 本当にありがとうね。

 誓約書に、付け加えてくれてた事、心配してくれてるのがわかって、嬉しかった。

 でも、大丈夫だから。

 だから、大ちゃんは、いっぱい恋をして、患者さんの気持ちが分かる素敵なお医者さんになってね。

 あっ、もう結婚して医局長になってたら余計なお世話だね。




 辛い事があったら、月を見て!

 私も、見るから。





 この、大ちゃんとこのデスクって、壁の方を向かないで、リビングの方を見てるじゃない。

 だから、リビングの大きな窓から、月が見えるね。

 今日は、そろそろ上弦の月になる半月が見えてるよ!


 んーー、雪白(せっぱく)の月って感じ。

 雪の様に白くて、すべて告白出来てスッキリした、私の気持ちと同じだなって思って。





 そろそろかぐや姫は、月に帰ります。

 かぐや姫はそんなおばさんじゃないよとか、言わないでね。




 最後に、ずっと口に出して言ってみたかった事を言ってお別れです。








 大貴・・・大好きだよ。








 本当にありがとう、さようなら。A







 P.S.最初で最後になったデートの思い出を、この本の間に挟みました。

  ゴミみたいになってたら、捨てていいからね。』














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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年10月20日 20時

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