月アカリ蒼い恋 3（Daiki.A)

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Daiki




そろそろ初期研修医と呼ばれる期間が終わる。






二年間で、内科、外科、救急、小児科、産婦人科などを回ってきた。

だから、妊婦の事も、多少は分かるつもりでいる。





三年目から後期研修医と呼ばれ、自分の進みたい専門科でレベルアップを目指す事になる。

俺は、散々悩んだ末、形成外科の道に進む事にした。




外科には進みたかったんだけど、外科と言っても色々あるわけで。

自分の顔を見て、たまに思う事あんだよね。

小さい頃作った、目の上の傷。

男の勲章だから、嫌だって思った事ねえけど、もっとキレイに出来たんじゃねえのって。





形成外科の中でも、美容外科じゃなくて、再建外科に進みたい。




例えば、火傷のあととか、キレイにしたいし。

生まれつきの変形なんかも、治したい。





そうやって、今は仕事に打ち込むしかなかった。




病院と家との往復の生活。





楽しみは、勝手に父親になる日を想像してる時。





俺の計算で行くと、出産予定日は9月10日。

まあ、それが40週と0日だから、それより早いかなとは思ってるけど。





カレンダーに、何週になった、何カ月になったって書いていて、Aのお腹の大きさなんかも想像している。



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あとは、月を見る事が楽しみかな。




それこそ、日中はなかなか外に出られないから、お日様なんて見ないけど。


月は、ホッと一息ついた時に、うちの窓からとか、通勤中とかに見えるから、つい上を向いて微笑んじゃうんだよね。




Aも見てるって信じて・・・



同じ月を見てるって信じて・・・・






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俺とAを繋いでるもの・・・



赤ちゃんとお月様・・・





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12月のあの日に、三カ月禁酒が出来たら、大貴って呼んでくれるって約束したから、その日にも丸をつけた。



3月17日・・・

無事に禁酒が出来たけど、だから何だってことは、なにもない。

ただ、普通の一日だった。






今後も、禁酒を続けるべきかは悩んだ。

次の目標もなく、頑張れるかなって思って。




でも、酒を飲んだ事によって、Aに迷惑かけたし、嫌な思いをさせたんだから。

だから、Aに会えるまでは、やめようかと思う。

最後に酒を飲んだのは、あの日だし。

それを忘れたくないから。






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