28 Daiki ページ28
Daiki
“Merry Christmas！”って、昨日あったの？
気が付かなかったよ・・・
俺が、ここに来るって思ったんだろ？
でも、どんな意味があんの？
「ごめんね」
「ありがとう」
それとも、何？
思わず、その袋を握りかけたら「カサッ」て音がして、慌てて手の力をぬいた。
よく見ると、この巾着、手作りだなってわかって。
さらに愛おしくなった。
それと同時に、やっぱり、もうここには、Aはいなくて。
これがこことのお別れのメッセージなんだって分かったから、俺もここには、もう来ないよって思ったんだ。
サバの味噌煮を一緒に食べた事。
玄関でキスをした事。
絶対、忘れないよ。
狭い部屋だって、恥かしがってたけど。
一人で一生懸命生きてる感じに、俺は胸を打たれて、守りたくなって、好きになっていったんだ。
もう、寂しい思いはさせたくないって思ったのに、俺のせいで傷つけた事もあって。
今回、突然いなくなったのも、俺のあの時の事も引きずってるんだろうなって思ってるから、だから、本当に悔しいし、情けないし、申し訳ないし・・・
俺を、父親と認めてくれないのも、それが原因なんだろうなって。
コンッ・・・・
あぁ・・・ストレス性か冷気のせいか・・・
また胸の様子がおかしくなってきた。
明日は、仕事を休むわけにいかないし、当直もある。
可愛い巾着は上着のポケットにしまって、ゆっくり歩いて、うちに帰る事にした。
・
・
次の日からは、ちゃんとシフト通り出勤した。
Aにもらった袋は、ポプリとかサシェとかいうんだって、同期の看護師に聞いた。
あの巾着の中に、数滴アロマオイルをたらして、職場のロッカーの中に置いている。
俺はOLか！って思ったけど、気分を変えてくれるし、Aを感じられるし、少しだけ気持ちが上がった。
トモさんから相変わらず連絡はない。
定食屋に行けてないので、どうなってるかわからないけど、一つだけ不安な事がある。
もしかして、トモさんと二人で、どこかで暮らしてるんじゃないかって事。
トモさんが、子供が出来にくい病気で、とりあえず俺の子を自分たちの子として育ててたら、すげーやだなって思って。
そんな事考えると、また発作が出そうなので、Aを信じて、そんな事ないって無理矢理思う事にしている。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 705人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年10月20日 20時
