25 Daiki ページ25
Daiki
仕事に行く時間になり、食べきれなかったご飯を、とりあえず冷蔵庫にしまった。
Aの麦茶で流し込み、リュックを背負おうと持ち上げたら、お弁当箱がカタンと鳴った。
まだ洗ってないお弁当箱・・・
シンクの中に入れ、水をはって帰ってきてから洗う事にした。
慌てて外に出た瞬間、冬の乾燥した空気を吸い込んだ。
コンッ・・・
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あっ・・・まずい。
薬、何回か飲んでない。
ヤバい・・・
コンコンッ・・・
マスク・・・マスクもないな。
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それでも仕事に遅れちゃいけないから、肺がヒューヒュー言い出したけど、あと少しで着くから我慢した。
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あーー、ちくしょーー!!
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色んな事が上手くいかず、イライラしてくる。
病院の入口でICカードをかざし、中に入ると暖かい空気が気管に入り、またコンッと咳が出た。
病院で咳をすると、必ず一回は睨まれる。
下を向きながら更衣室に入り、リュックから急いで吸入器を出した。
思いっきり吸い込み、気持ちと体を落ち着かせた。
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休みたい・・・
・
・
目をつぶったら、Aの顔が浮かんできた。
『大ちゃん、頑張れ』
そんな声が聞こえてきそうだった。
俺も都合がいいな・・・なんて思ったけど、今の俺の気持ちには、それが一番効く薬だから。
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ロッカーを開き、スクラブに着替えた。
Aがカッコいいねって言ってくれたその姿になって、ヒーローにでもなったような気持ちで、更衣室を後にした。
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ヒューヒュー
コンコンッ
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マスクをしてるとはいえ、仕事中も収まる事はなかった。
ぜん息だと周りは知ってるけど「受診して、帰れ」と言われてしまったので、いつも薬をもらってる呼吸器内科を受診して、ネブライザーをしたら少し落ち着いてきたので、そのまま自宅に戻った。
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ぜん息の発作が辛いんじゃないのは分かってる。
今、一番辛い事・・・
考えれば考えるほど、沼にはまっていく。
おそろいのパジャマを引き出しからだし着替えた。
発作がひどい時は、横になって眠れないけど、今日は大丈夫そう。
いつ電話があってもいいように、今日はプライベートのスマホの着信音をONにして、仕事用のスマホはOFFにして枕元に置き、目を閉じた。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年10月20日 20時