17 Daiki 12/24 ページ17
Daiki
あっという間にクリスマスイブ。
ぶーぶー言ってたら、Aがお弁当作って、持って来てくれることになって。
仕度をしながら、待ってるとこ。
・
ピンポーンッ
大貴「はい、どうぞ」
インターフォンのカメラに映る大好きな人は、朝からお仕事用の格好で現れた。
家事代行に預けている鍵でガチャガチャと入ってきた。
A「おはよ！間に合ってよかった！」
大貴「久しぶり！もー会いたかったよ！」
そんな風に甘えて、Aの腰に手をかけた。
A「遅刻するよ！」
大貴「分かってるって」
グッと抱き寄せ、おでことおでこを合わせた。
外の空気のせいで、顔が冷たくなっている。
俺の手で、その冷たいほっぺを包んだ。
A「あったかい・・・」
そう言い、俺の胸にコトンッとくっついた。
ずっとこうしていたいけど、そろそろ行かなくちゃ。
A「これ、お弁当・・・
簡単なモノだけど、食べる時間があるといいな」
可愛い紙袋ごと、俺の前に差し出した。
大貴「ありがと・・・これを楽しみに、頑張るよ」
A「うん、頑張ってね」
大貴「あ、様子を時々送って！」
A「様子？」
大貴「写真！自撮り写真を送って！」
A「わかった・・・」
玄関に行き、靴をはいて振り返る。
大貴「じゃあ、行ってくる」
A「うん、行ってらっしゃい」
大貴「うちのもの、勝手に使っていいからね」
A「わかった」
Aの腕を引っ張り、行ってきますのチューをする。
恥ずかしそうにする姿が、可愛い。
大貴「いってきます！」
A「いってらっしゃい！」
小さく手を振っている姿に見送られ、ドアがしまった。
こんな風に、お弁当を作ってもらって見送られるとか。
なかなか会う時間がないから、一緒に住んだら全然違うよな。
妊娠したら、もう一回ちゃんと付き合って欲しいって言って、一緒に住みたいって伝えるつもり。
そんな事考えながら出勤すると、自然と顔が緩んでた。
同僚に「どうした」なんて言われるくらい不気味だったっぽい。
俺んちに閉じ込めたし、誰とも会わないと思うと、安心する。
・
日に日に、好きという気持ちが大きくなっていくのがわかって、幸せだった。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年10月20日 20時
