月アカリ蒼い恋 3（Daiki.A) (ページ1)

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Daiki

大貴「な・・何これ・・・」

何を約束させられるのか、怖くてその下を読む事が出来ず、Aちゃんを見た。

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ゆっくり頭を上げ、泣きそうな顔で俺の目を見た。

そして、一度大きな深呼吸をして、口を動かし始めた。

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A「突然、ごめんなさい。

　あの・・・こんな事頼めるの、大ちゃんしかいなくて。

　無理だったらいいの。

　普通、こんな事頼む人なんていないから。

　私、頭おかしいのかもしれないけど。

　でも、どうしても欲しくて・・・」

言い訳だけが、すごいスピードで口から出てきた。

大貴「・・・・何が欲しいの？」

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A「・・・・子供」

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大貴「え？子供？俺の？」

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頭を大きく縦に振った。

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また下を向いたままになり

A「で、その際の約束を、書いてきました」

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それが、この「誓約書」だっていうの？

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恐る恐る、三ツ折りにされ、見えなくなっている真ん中から下を、のぞいてみた。

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『平成29年12月17日

誓約書

有岡大貴様

私が妊娠した場合、以下の事項を厳守する事をここに誓約いたします。

記

1.子供を認知する事を求めません。

2.養育費、出産費用、その他諸費用、相続を求めません。

3.子供と会う事を要求しません。

4.萩原Aとの婚姻を求めません。

5.父親の名前を公言しません。

以上

〇〇区〇〇4-1-5
萩原 A 印』

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大貴「なんだよ、これ・・・」

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A「お願いします・・・」

下を向いたまま、声を震わせている。

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大貴「なんで俺なの？」

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A「・・・他に、頼める人がいなくて。

　でも、もう35歳だし、早い方がよくて」

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大貴「好きだからとか・・・そういう理由ではないんだ」

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頭を大きく縦に振った。

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大貴「俺は、Aちゃんの事好きだから、ちゃんと籍を入れて、それで子供を作るんでもいいよ。

　むしろ、そうしたい。

　これじゃあ、もう会えなくなっちゃうような内容じゃん。

　そんなの絶対嫌だからね！」

つい、大きな声が出た。

こんな大切な事、こんな紙切れで決められっか。

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