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A「今日は、どこで勉強する?」
山田「んー、緑が見えるカフェ」
A「条件が、OLみたいだね」
山田「いいじゃん、もうすぐOLになるんだろ」
A「そうだけどさー」
そんな事言ってる間に、もう、涼介はスマホで調べているみたいだった。
そして、条件に出てきたのは、隣の市にある美術館に併設されてるカフェだった。
ここは、私も噂には聞いた事がある。
涼介は、リュックに勉強道具を詰め、私はトートバッグにノートパソコンを入れ、手を繋いで駅に向かった。
涼介の温かい手に包まれて、自然と横顔を見上げてしまう。
「ん?」って左の口角を上げ、優しい目で私を見てくれる。
恥ずかしくなって、首を小さく横にふると、繋いでいた手に力が加わって、「俺も」って言ってくれてるみたい。
私が「好き」って思ってるの、分かっちゃうんだね。
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電車で二駅の所にその美術館はあった。
緑に囲まれていて、所どころ黄色に色づき始めている木もあった。
山田「うー、気持ちいいな」
10時のオープンと同時に入ったので、テラス席も空いていて、どんな時もコーラを頼む男子高校生と、温かいカフェラテを頼む女子大生。
そんな事も慣れてきて、無理に合わせなくていい関係になってきた。
涼介は受験勉強、私は卒論の下書きと、それぞれの時間を過ごした。
別々の事をやってても、そばにいられる幸せ。
ベタベタしてなくても、大切な時間だった。
テラス席が満席になったら出ようねって約束して、
途中でランチを頼んで、食べ終わる頃に満席になった。
山田「仕方ねえな。
ちょっと散歩してこ!」
二杯目のコーラを、ストローでズズズと飲み切って席を立った。
周りは木々で囲まれていて、森の中の美術館と言ったところ。
濃い緑色の他に、紅葉が始まっている木もあった。
スーッと深呼吸をすると、とっても気持ちよくて、「俺も」って言って二人で同じ空気をいっぱい吸ってみた。
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一度私のアパートに戻り、まだお祭りには早いからって、涼介は私の勉強机で、続きの勉強を始めた。
A「偉いね」
山田「え?Aの前では、ちゃんとやってるとこ見せたい」
A「いなかったら、やってないの?!」
山田「かもな!」
そんな風にふざけてるけど、模試の成績が上がってるの、知ってるんだからね。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年9月13日 23時