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世の中のお母さんってこんな気持ちなんだろうか。

受験票持ったかな、忘れ物ないかな、無事に受験会場に着いたかな、トイレを済ませたかな。



あまり色々言うと、嫌がられそうだから、起きたかなってくらいの時間に「おはよ」っていうひとことと、「Fight!」っていうスタンプを送ったら、「りょ」っていうスタンプが返ってきた。








私は、いつものように、バイトに出掛ける事にした。


バイト先でだって、受験生だらけで。

ピリピリした雰囲気は、やっぱりある。

私立の受験は、二月に入ってからが忙しいので、まだ塾で自習をしている子が多かった。





昼休みにスマホを見たら、涼介はお昼休みは終わってるっぽくて。

それでも「疲れた」っていうスタンプが送られて来ていた。



「頑張れ」っていう言葉って、重荷になるかなとか色々考えちゃって。

だって、頑張ってるんだもん。

それなのに「頑張れ」って言えない。

だから、何て言っていいか分からず、朝、「Fight!」っていう英語で誤魔化してみたんだから。




あっ!英語・・・




涼介がバカにしてた、あれがいいか。




「Believe in yourself!(自分を信じて!)

I'm on your side!(あなたの味方よ!)」





試験が終わって、これを見たら『うるせー』って返事がきそう。



17時までのバイトを終わらせ、すぐにスマホを見たら、「終わったー!」ってひと言入ってた。

うるせーって言う元気もないのかなって思うと、ちょっと心配。

バイト先から駅に向かう道で、「お疲れ様でした」とメッセージを送ると、すぐに電話がかかってきた。





A「もしもし・・・」




山田「Aー!声聞きたかったー!」




A「やだ、昨日話したばっかじゃん」





山田「そうだけどさー、女子ばっかでやっぱ嫌だった」




A「ちょっと、何今更、そんな事言ってんのよ」





山田「俄然、やる気出た!」




A「え?今?遅くない?」




山田「だから、Aと一番最初に見に行った、総合大学!

  あの第一志望の大学に、絶対受かる!」





A「ふふっ。それ、半年前くらいに聞きたいセリフだね」





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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年9月13日 23時

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