きらめきソーダ水 6 【完】(Ryosuke.Y) (ページ3)

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それは、今、この状況の事なのか。

それとも、私が先に社会に出て行く事を言ってるのか。

多分、両方の様な気がする。

涼介の胸の中へ飛び込んだ・・・

まだ両手はポケットに入ったままだったけど・・・

A「受験・・・不安？

　私に出来る事があれば、何でも手伝うから。

　だから、大丈夫だからね」

右手だけがポケットから出て、私の背中に回った。

A「私だけが、先に進んでるみたいに思う？

　そんな事ないんだけどね。

　涼介だって、ちゃんと進んでるよ」

もう片方の手も、私の背中に回った。

ゆっくりと、重い口調で、話し出した。

山田「早く、Aを守れるようになりたい・・・」

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A「うん・・・今だって、守ってもらってるから、大丈夫・・・」

私は、涼介から体を離した。

そしてうつむいている涼介のほっぺに片手を添え、背伸びをして、唇を重ねた。

少し、届かないなって思ったけど、涼介が迎えてくれたから、だからちゃんと重なった。

山田「A・・・好きだよ」

いつもの甘い目ではなかった。

少し寂しそうな顔で、そう言い、私を抱きしめた。

絶対離さないって感じで、力が入っていた。

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と、その時、足音が近づいてきた。

瞬時に体を離し、本の背表紙に指をかけた。

涼介は、「行ってるわ・・」と、自習室の方に向かって行ってしまった。

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受験生の不安感を、拭い去る事は難しい・・・

だから、せめて寄り添ってあげられたらいいのに・・・

私だって、大好きだから。

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数日後の駅のそば・・・

塾帰りとバイト帰りの私達が、いつものように落ち合った。

山田「あのさ、Aの誕生日なんだけど」

A「あ、うん・・・」

山田「今年は、受験とかあって、サプライズも無理だから言っちゃってるんだけど」

A「いいよ、全然。何もしないで」

山田「まあ、一緒に居させて欲しいんだけど」

A「うん、それで十分嬉しい」

山田「いや、あのさ。

　誕生日は、金曜日なのね。

　でも、次の日の土曜は模試があってさ」

A「ああ、そうだ！」

山田「で、日曜日、うちの近所の秋祭りがあるから、一緒に行かない？」

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