18 Ryosuke ページ18
Ryosuke
えっと、誰だっけ・・・
「忘れちゃった?
近所の井上です。小さい頃、うちのミズキと遊んでたんだけど」
山田「えっと・・・」
このおばさんの後ろに、女の子が立っていた。
「小さい頃、大きくなったら結婚するんだって約束してたんだけどね。
涼介くんも、かっこよくなっちゃって、素敵な彼女も出来ちゃったのね」
山田「まあ、そうですね・・・」
「高校サッカーも見てたわよ!
自転車で学校に行く姿も良く見かける。
大学は?平成大学に行くの?」
山田「いえ、他受けます」
「えー、そうなのね。
ミズキ、ミズキも同じ大学に行けるかもね」
女の子は恥ずかしそうに、そのおばさんの袖を引っ張ってた。
山田「それじゃ、彼女送ってくんで失礼します」
その間のAも、あの女の子のように、俺の後ろに隠れてた。
どんな顔をしてるか分からなかったから、ちょっと心配で。
山田「行こっ」
手を差し出した。
それなのに、すぐに手を出してこなかった。
うつむいた顔を覗き込んだら、眉毛を八の字に下げ、口をへの字にしていた。
強引に手をつかみ、さっきの二人に頭を下げ、再び綿あめの文字を目指した。
歩きながら、Aに話しかけた。
山田「まさか、子供の頃の約束にいじけてるんじゃねえよな」
A「涼介と同じ世界の子だったね」
山田「なんだそれ」
A「涼介の事、ずっと好きなんだね」
山田「俺は別に好きじゃねえし、どんな奴かも知らねえけど」
A「そっか・・・」
そう言って、口を閉じた。
山田「すみません、二つください」
「はいよ、好きなの持ってって」
山田「A、どれがいい?」
A「涼介が選んで・・・」
俺に甘えてるようで反抗してるんだよな。
山田「はい、Aにそっくりなやつ!
俺が持っててやる」
A「アンパンマンって何よ!」
山田「ほっぺがプクーって膨らんで、そっくり」
A「バカ・・・・・・」
山田「おい、泣いてんの?
何で泣くんだよ!」
A「足が痛いの!」
そうだ、忘れてた。
Aの脇辺りに手を入れ、体を支えた。
山田「歩ける?」
A「ねえ」
山田「ん?」
下を向いたまま、何を言われるのか構えた。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年9月13日 23時