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山田「なんか、俺が緊張してるんだけど」



ゴクゴクと喉を鳴らしてコーラを飲み始めた。

グラスをトレーに置き、「あっ」とストローがあった事に気づいたようで、私のグラスにさした。


ストローに口をつけると、いつもの爽やかな味が少し気持ちを落ち着かせた。



山田「おっ、苺じゃん」



私の手土産を早速食べてくれてた。

フリーズドライされた苺が、ホワイトチョコでコーティングされてる、どこにでもあるお菓子。

でも、苺は千葉産だと思うから・・・




山田「俺さ、受験終わったら、すぐ免許取って、Aと苺狩りに行きたいんだよね。

千葉へのドライブ、海もあるしすげー楽しみなんだ」




A「ふふっ、楽しみがあると勉強もはかどるよね」




山田「まあな」




そうでもないけどって顔で、一応同意してくれた。




A「このお部屋って、涼介のお気に入りを並べてるの?」




山田「そう!ごちゃごちゃしてるけど、落ち着くんだ」




A「ふーん、そっか」




山田「なんだよ、それ」




A「いや、電話してる時もこの部屋からなんだなって思って」





山田「そうだけど。

いつも、このベッドに寝っ転がって、Aの事考えてる」




私の顔を覗き込んだ。

私の手の中にあるグラスを奪い、トレーに置き、

私の腰に腕を回し、距離を縮めた。




山田「気、使わせてごめんな。

俺の事、大切に思ってくれて、嬉しい」




涼介の人差し指が、私のあごを持ち上げ、スッと顔が近づいて、唇が重なった。

あごにかけられた指はすぐ離れ、両腕で私を抱きしめてくれた。




涼介の部屋の香りは、きっとあそこに置いてある、アロマキャンドルの香り。

その甘い香りが残る中、涼介の大切なものに囲まれて、涼介の事をもっと知れて、幸せだった。


何度も向きを変え、何度か唇を離し、随分長い間、キスをしていたら・・・



A「ちょっと・・・ダメだよ」



山田「分かってるって」




ホントに分かってるんだろうか、私の胸元に手が乗った。

もちもん、乗っただけではない。




山田「すげー強調されてっから、確認してるだけ」




A「何をよ!」




山田「いいから、黙っててくんない?」





女の子を自室に招く・・・

そう言う事を考えるんだろうけど・・・





A「はい、おしまい!

そろそろお祭りに行こっ!」






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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年9月13日 23時

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