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10/1は内定式があった。

久しぶりに黒のスーツを着て、BESTへ出向いた。



内定をもらってからと言うもの、ダラダラと過ごしていたため、すっかり社会人としての意識が薄れていた。

むしろ、社会人になる事への不安から、あまり思い出さないようにしていたのかもしれない。




説明会の行われた、大きめの会議室。

今日も、そこに集められた。

内定者は、何人くらいいるんだろう。

ざっと見て、100人以上はいそうだ。

全国に営業所があるんだから、そんなもんなんだろう。




社長の話、人事部長の話、営業部長の話、総務部長の話・・・

まだ、売り上げの事なんて言われても、ピンとこない。

それでも、やる気あります!って顔で、話しにうなずいていた。





やっと終わり、裏の社員通用口を出たところで、肩をポンポンと叩かれた。



A「んっ?」




「久しぶり、萩原さん!」




A「あっ、えっと・・・」




そうそう、説明会の時に書くものを貸してあげた、背の高い男の子。

名前、なんて言ったっけ?

変わった名前だった。





薮「薮です!忘れちゃったの?ひどいじゃん」




A「いえ、覚えてました・・・」




薮「内定式で、また会えて嬉しい」




目を細めて、そう言われた。





A「それでは、私こっちなんで、失礼します」




薮「えっ、ああ・・・今度は入社式で会いましょう!」




A「はい・・・お疲れさまでした」




薮「お疲れ様でした!」





あぁー、やっと終わった・・・

あの人数なのに、良く会えたよな。




変な同期にとりつかれた感・・・



『お疲れ様でした』と言う言葉が、社会人の第一歩の気がして・・・

友達同士では使わない言葉・・・




とりあえずの「お疲れ様でした」











そのまま大学に行った。

今日は、やっぱり内定式をする企業が多いようで、リクルートスーツの学生が目に入った。

バイトの前に、図書館で涼介と待ち合わせをしている。

こんな事を楽しみにしてるなんて、我が事ながら、まだまだ学生気分で。

大丈夫なんだろうか、私・・・




卒論の関連論文を何冊か読み終わり、今日は、それを返却するついでなんだけど。

必要なところをコピー取ったり、もうちょっと資料になりそうな文献を探したり、涼介が来るまで、もう少し進めておきたい。




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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年9月13日 23時

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