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ビックリして、慌てて鍵を開け、勢いよく扉を開けた。




少しのけぞり、私を見て「よっ・・」と声を掛けた。




やっぱり全身濡れていて、久しぶりに見る私服姿だった。




A「ちょっと・・・入って・・・」




玄関の中に招き入れ、バスタオルを取りに行った。




A「どうしたのよ、雨、随分前から降ってたでしょ?」




バスタオルを広げ、頭からかけた。

そして、バスタオルの上から拭いてあげると、微動だにしないで、立ちすくんでいた。




A「ねえ、シャワー浴びなよ。

  お風呂、作ってくるね」





頭にバスタオルをかけたまま、その場から離れた。

私の視界の隅っこで、自分でも体を拭きだしたので、少しホッとした。





A「学校の用事は終わったの?」




山田「うん・・・」




A「お夕飯は?お腹空いてない?」





山田「夕飯は食ってねえけど、んー腹減ってるか、わかんねえわ」





そうだよね、そういうもんだよね、きっと。




A「お湯貯まるまで、シャワーで洗ってなよ」




山田「あ、うん」








スニーカーを脱ぎ、スニーカーソックスも脱いだ。

足跡がつくくらいの濡れ加減・・・




シャワーを使う音がし始めたので、

違うバスタオルと下着を、脱衣所に置いた。







濡れた服と、一枚目に渡したバスタオルを、洗濯することにした。




浴室からは、湯船に入る音がする。

チャンポンという音以外は、何もしない・・・

不安になるくらい静かな浴室、そっと開けてみた。





山田「何だよ、覗くなよ!」




A「ふふっ、大丈夫そうだね・・・良かった」




扉を閉め、ちょっとホッとして部屋に戻った。

そうそう、食べかけのお弁当を、蓋をして冷蔵庫にしまった。







夕飯かー。


私も食欲はないし、どうしよう。

雨の中、買い物に行くのもな・・・





困った時の、アレにしようと、キッチンで準備を始めた。




ドライヤーを掛け終わった涼介が、冷蔵庫を開け、コーラを取り出した。





山田「いつの弁当だよ、大丈夫か?」




A「あぁ、さっきだから大丈夫。

  ねえ、上からたこ焼き器取って!」





山田「おっ!たこ焼き作ってくれるの?」





A「タコがないから、違うものでだけどね。

  それだったら、食べられそう?」





山田「おぅ」




背伸びをして、たこ焼き器を降ろしてくれた。

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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年8月17日 0時

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