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今朝、気象庁は「梅雨入り」を宣言した。
今日の準決勝は10時スタート。
午後は雨が降る予定になってるので、降る前に試合が終わるといいなって思って。
本当はめぐを誘おうかと思ったけど、なんとなく静かに見ていたい気がして、
もちろんスタンドは応援の声で静かではないんだけど、一人で隅々まで見ていたかったから。
今日も「10」の背番号を背負う、小さいけど頼りがいのある背中を見つけた。
笑顔でチームメイトと話す横顔。
昨晩電話で話した時は「PK戦」の緊張感を、熱弁していた。
18歳の背負うものとしては、かなり重い物。
ふざけて話してたけど、その後ゆっくり休めたんだろうか・・・
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山田「集合!」
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この声、今日も聞けた・・
今日もまた「最後かもしれない」という気持ちで観戦している。
今日は、昨日と違うユニホーム。
私は、こっちのユニホームが好きだから、ちょっと嬉しい。
円陣を組んで、涼介の掛け声で、全員がまとまった。
円陣が崩れた後、一瞬、こっちを見たような気がしたので、
胸の前で小さく手を振ってみたら、右手を上げて微笑んでくれた。
嬉しい・・・けど、気が散ってしまったんじゃないかと、すぐに手を降ろした。
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キックオフのホイッスルが鳴った。
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今日は昨日以上に、体と体がぶつかり合い、
シュートを打っても、なかなか入らず、
涼介が、大きな声を出し、チームを励ましているようだった。
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前半は 0 VS 0 で終わった。
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あぁ神様・・・助けて・・・
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そして後半開始15分。
とうとう相手チームに1点入ってしまった。
女の子達の悲鳴が響く。
私は、声も出せず、ただただ胸の前で手を握る事だけだった。
その後も、何度もチャンスがあったけど、得点につながらす、
試合終了のホイッスルが鳴った。
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この光景、この前も見た。
涼介が膝から崩れ、頭を下げている。
他の子達も、立ちすくむ子。
立ったまま、天を仰ぎ両手で顔を覆ってる子。
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涼介の・・・三年生の夏が、終わった・・・。
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立ち上がれなくなった涼介は、チームメイト二人に抱きかかえられ、やっと歩いていた。
相手チームに挨拶をし、こちらの応援団の前に並んだ。
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まだ涼介は下を向いている。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年8月17日 0時