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A「そっかー。そうかもね。

  もう少し、中小受けてみようかなー」




山田「まだ受けんの?」




A「だって、内定貰えないんだから、そうするしかないじゃん。

  落ちたとこだって、何個もあるんだし」





山田「んー、坂本に頼んでみる?」





A「え?!まだ、大丈夫・・・

  9月になっても、内定貰えてなかったらお願いするね」





山田「まあ、まだ6月上旬だしな」







ドンッ








山田「ん?どうした?」




そう言いながら、私の背中に手を回してくれた。





A「涼介のパワー、分けて。

  ちょっとくじけそうだから・・・」




涼介の胸の中に顔をうずめると、少し落ち着く。

決して、広いわけじゃないけど。

厚くて、温かくて、いい香りがするから。




年下の男の子に守られたいなんて、そうとうやられちゃってるのかな、私。




右手で私の髪の毛をなでながら、耳元でボソボソ話し出した。




山田「俺もさ、今、超プレッシャーかかってて」




そう言われて、ビクッてした。

そうだった、涼介も、大事な試合があるんだった。




私と違って、次がない、大切な試合・・・

今後は、サッカーはやらないと言ってたから。

小学校の頃からずっとサッカーばっかりやってきた涼介の、すべてなんだよね。





A「うん、そっか・・・」




山田「俺も、Aのパワーわけてよ。

  最終面接まで進んだパワーを。

  俺も、決勝まで進みたい・・」





A「うん、そうだね・・・」




3分くらいかな、そのまま何も喋らず、お互いの体温を感じていた。

不安な時、支えになってくれる人がいる事の幸せ・・・

それが年下の高校生でも・・・





私が、どれだけ涼介の支えになってるのかは分からないけど、

きっとこんな弱い姿は、チームの前では見せないんだろうから。

心の闇を吐き出して、それで心が落ち着くんなら、

いくらでも聞いてあげるよ。





スッと涼介の体が離れた。

見上げると、優しいトロンとした目で私を見つめて、

徐々に顔が近づいてくる。




唇が重なる時に、一瞬ドキッとしちゃうのは、いつまでたっても変わらない。

すぐに舌が入ってきて、絡まりあった。




熱い思い・・・

お互いがお互いを、受けとめた。





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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年8月17日 0時

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