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誕生日だってのに、今日もバイト。


まあ、お休みとっても、なんもする事ないし、

小遣い増やすために、働きますか!







いつものように、頼まれた事務処理を片付け、

自習室の見回りに行こうと思ったら、ロビーでおにぎりを食べている彼と、目が合った。




山田「先生!今日、誕生日だよね。

  これ、プレゼント・・・やるよ」





椅子から立ち上がって、手元に置かれていたものを、急にこちらに投げた。





A「キャッ!」




そんな急に反応する事が出来ず、床に落としてしまった。




すぐに拾い上げて、




A「ビックリした・・・」




山田「それ、今飲むのが一番美味いんだわ。

  どうぞ、召し上がれ」





A「え・・・今?」




山田「そう、今!」




私が受け取ったのはコーラだった。

冷たくて、まわりに水滴がついてたんだと思う。

手がビタビタになってしまった。




濡れた手を、一度スカートで拭き、言われた通り、ペットボトルの蓋をひねった。





山田「マジか・・・」









キャーー!




女子の甲高い悲鳴が響く中、

私の右手の中にあるペットボトルから、すごい勢いで泡が吹きだした。

床にボトボトと液体がたれ、もう、どうしていいのかわからなくなり、

腕を伸ばして固定するしかなかった。




山田「バカかよ、まったく」




キツメに吐き出された言葉・・・

そして、私が伸ばしている腕をつかんで、引っ張り歩き出した。




A「ちょっ、ちょっ、ここ男子トイレ!」




山田「いいから!」




男子トイレの中にいた、数名の生徒達が


「どうしたの、A先生!」


そう言って囲まれたけど、山田くんは何も言わず、

半分以下になったコーラを奪い、台に置き、

私の白い袖を水道にあて、汚れを落としている。




A「ねえ、もう大丈夫だって」




山田「わりぃ、ホントに開けると思わなかったんだ。

  ちょっと待ってて・・・」





A「え?!ちょっと、ちょっと!」




用を足したそうな男の子もいるっていうのに、一瞬置き去りにされた。




再び、扉が開いた時には、タオルと何かを持って来た。





山田「これしかねえからさ。

  今日使ったんだけど、まあ我慢してくれ。

  こっちは、使ってないから、キレイだから」





部活用のタオルなんだと思う。


それで、一生懸命、私のブラウスと手を拭いてくれている。





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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年6月22日 17時

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