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入口を抜けると、ゴールドに光るイルミネーションが、
暗い室内に照らし出されていた。
星の形のオーナメントが飾られ、
展示室自体がクリスマスツリーのようだった。
A「すごい！キレイだね・・・」
山田「あぁ・・・
小さい頃来た事あるけど、何か全然変わっちゃったな」
A「そっか。
家族で来たの？」
山田「兄貴と、坂本と今の奥さんね」
A「へー。
坂本さんのデートに、お邪魔してたの？」
山田「そっか・・・
そうなんだな。
その時は、そんな風に考えてなかったな」
A「自分達のお出掛けに、彼女がついてきちゃった感じ？」
山田「そう！
今考えると、ひでえな」
A「まあ、坂本さんも、涼介とお兄さんの事
心配してたんだろうから、いいんじゃないの？」
きっと、涼介にとって、楽しい思い出だったんだろうな。
目線を下にして、ニコッて微笑んでたから。
そこを抜けると、色んな大きさの水槽が並んでいて、
端から順番に見ていった。
ハッ！
ビックリして声にならず、
チラッと涼介の横顔を見た。
微笑んで、首をかしげ『何？』と言ってるような顔をして、
私の手を包む、少し柔らかい温かい手が、もう一度握り直された。
混んでいるせいで、手を繋ぐというより、
手に絡まるという感じで、
涼介にピトッとくっついて、次の水槽に移動した。
「可愛いね」
「え？どこ？どこにいる？」
「キレイだね」
「なんだこれ？」
クリスマス用に装飾された、水槽やライトがゴールドに光っていて、
気分を盛り上げてくれた。
山田「ここ、これ見たかったんだよね！」
スロープを下って行くと、開けた空間に
ピンク、グリーン、ホワイト、オレンジの
円柱型の水槽が何本も立っていて、
中には、クラゲがふわふわと踊っていた。
天井が鏡になっていて、丸い白の電球が、
倍に輝き、星空のようだった。
円柱型の水槽の光も、色んな光り方をしていて、
クラゲがとっても楽しそうに見えた。
端っこの壁によりかかり、
しばらくその光の演出を見ていたら、
繋がれた指が、ハラッとほどかれた。
あっ・・・
次の瞬間に、涼介の腕が私の腰に回り、
グッと体を引き寄せられ、顔の位置が一気に近くなった。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年6月22日 17時
