46 Ryosuke １２月に入って ページ46
Ryosuke
思い切って言ってみた。
Aちゃんは、俺と視線を合わせないまま、
すぐに返事をした。
A「え、泊まりはダメだよ・・・」
だろうな・・・
この前、そう言われたもんな。
・
山田「どうしても？
一緒にいたいんだけど」
これってずるいかなって思ったけど、
「一緒にいたい」って気持ちを確認したんだよね。
・
A「ごめん・・・ダメ」
一回言いだしたら、聞かないタイプ？
山田「わかった。
でも、諦めねえから。
俺、好きな人と朝を迎えるとかした事ねえから、
してみたいんだよね。
また、聞くから」
A「何度聞いても、変わらないよ・・・」
山田「じゃあ、予定決まったら、教えて」
A「うん、わかった」
山田「ご馳走様でした。
おやすみなさい・・・」
A「おやすみなさい・・・」
・
今日は、自転車に乗れないﾁﾈﾝのせいで、電車なんだ。
Aんちも分かった事だし、また遊びに来よっ。
休日の上り電車は、下りよりはすいていて、
デート終わりのカップルなのかな・・・
一緒の家に帰るの・・・憧れる。
・
電車の窓から見える、それぞれの家庭の明り。
きっと、お母さんとお父さんと兄弟と・・・
もしくは、好きな人と過ごす、日曜日の夜。
俺も、Aみたいな明るい女の子と、
幸せな明りを灯したい・・・
クリスマス・・・
まずは、そこだな。
頑張ろ・・・。
・
・
12月に入って、塾終わりのAは、
口元が隠れるくらいのマフラーをしている。
それもまた可愛い。
バイトの日と、俺の塾の日が一緒の時は、
駅のロータリーで、少し話すようになっていた。
A「寒いねー。
涼介、自転車寒くないの？」
山田「まあ、寒いけど。
でも、暑い電車の中の方が耐えらんねえから。
ピリッと引き締まって、気持ちいいよ」
A「そっか」
そう言って、ニコニコしている。
A「ねえ、クリスマスの事なんだけど、
私、その日、大学は午前中あるんだけど、
バイトはなかったよ」
・
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年6月22日 17時
